お祭りを取り上げられてブチ切れている件

もう皆さんご存知の通り、インドは基本的にネタには困らない国。

それも、単身赴任の気楽な生活だと笑ってスルーできるが、家族帯同ともなると、結構シャレにならん事がある。

今週、リアルに焦った事案が発生したので書いておく。

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ここチェンナイはインド南部にあり、欧州やアジア系が血にも歴史にも多少混ざっている北部インドとは違い、顔も文化もゴリゴリのインド気質。

そんな南インドでは、1月中旬にある『Pongal(ポンガル)』と言う収穫祭の時に、『Jallikattu(ジャリカットゥ)』と言う牛追い祭りが行われる。

なんと、5,000年も続いている(ホントか!?)とも言われており、中国3,000年の歴史もビックリなのである。

内容としては、角に金貨を付けた牛を走らせ、その走ってる間に素手で金貨をつかみ取ったものの勝ち、と言うまぁ書けば単純なゲーム。

他にも、一番最後までしがみついてた人が勝ち、とか微妙な差はあれど、とにかく憤怒した牛を制御した人の勝ち、ってのが要旨。

こんな感じ。

(画像はグーグル検索でお借りしましたぁ♡)

クソあぶねーだろ!とも思うけど、急な斜面を滑り落ちる日本の何とかって祭りと本質的には一緒なんじゃないの、と言う気もする。

このお祭り、別に牛を殺傷する訳もなく(※)、と言うかむしろ人が死ぬんだけど、動物愛護団体から

『野蛮すぎる!やめて!』

みたいな謎の圧力がかかり、裁判までした結果、最高裁が

『はい、禁止ね』

とあっさり判決を出してしまった。

※牛に石を投げていた事もあるらしい。そりゃいかんぜよ。

当然、このお祭りをアイデンティティの一部にしている(多分)タミルナドゥ州の州民にとっては一大事。

冗談じゃない、判決を取り消せ、半ケツ出すぞ、と言わんばかりにデモを行い始めたのである。

こんな感じで、大人しく枠の中におさまってワーワー言ってるだけ。と言うのが先週の金曜辺りの話。

当方、家にテレビの電波引いてないし、ローカル放送を見る気もさらさらないので情報に疎かったが、どうもそのデモの効果か、モディ首相わざわざ『しょうがねーからやっていいぞ』とのお触れを出したらしい。

普通、それで終わりだろ、って気はするんだけど、そうならないのがインドの困った、いや、良い所。

月曜日の昼頃、いきなりマダム(嫁さん)から連絡。

学校の周りがデモ隊のせいで通行止めになり、出入りできない状況

との事。

おい、マジか。

俄に高まる緊張感。

お姉ちゃんをアメスクに通わせてるので、早速仕事そっちのけで情報収集に走る。

すると色々わかってきた。

流れとしては、

本来であれば先週の時点で沈静化してるはずの話(前述の通り)

せっかくみんなでデモやったし、もうちょい盛り上がろうぜ!的なパリピなヤツが引き続き月曜もデモ実施

いい加減にしなさい、って事で警官隊から強制排除を受ける方向になった(当たり前)

ここでどうやら負傷者だかなんだかが出たモンだから、渡りに船、とばかりにみんなが爆発

一部エリアでは、交番の焼き討ちや投石が行われた

チェンナイを南北に走るOMR・ECRと言う二本の幹線道路を始め、かなりの道路が封鎖

アメスクの前の道も通行止めになり、日本の補習校は先生方も出勤できず、急遽お休みに

と言う感じ。

アメスクの前はこんなん。

左奥の茶色いのがアメスク。

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昔、当方が住んでいたマンションから見下ろしたOMRの様子。

見ろ、人がゴミの様だ!と言うムスカ的な発言が出来る絵面である。

この人達さ、仕事してないのかな?

こんな感じで、おいこら、それはシャレにならんぞ、と言う事になり、アメスクの出方を窺っていた所、一部のママからは『動き遅すぎ!!』とキレられていたものの、

みんなで緊急会議を開いたよ!

アメスクの中は安全だから安心して!

15時半の授業終了後も生徒は預かるよ!

何ならご飯も出すし水もあるし、布団まで用意するよ!

と言う感じでアメスクも一生懸命頑張っていた。さすが年間3万ドルも払ってるだけある。(会社が)

とは言え、時間が経てばおさまるかな~と思ってたら、16時頃になっても沈静化せず、マダムも家から出られない状態の為、ここは俺が、と言う事で会社を早めに出てアメスクに向かった。

空港くらいまではスイスイ来たのだが、空港過ぎた辺りから一気に雲行きが怪しくなって来た。

まず、Uターンしてはいけない所でUターンする(要は逆走)輩が出現。

おい。

こんな塩梅で、どんどん交通渋滞が激しくなっていく。

なんで車が向かい合ってんだよ。。

原因は前述の通り、至る所で道路が警察によって封鎖されているから。

当方も自宅まで5kmの所でドハマりして、1時間くらいステイを余儀なくされた。

車の中にいても仕事してれば良いので、別に苦ではなかったのだが、当方の車がSUVであり、ステップがついている事に気付いた通行人が、遠く見たさに勝手に車に昇ったりするモンだから、その度に前触れなく車が大きく揺れて、その度に大きくビビっていた。

こーゆー時、ドライバーはご主人様と同じ空間にいてはいけない、と思うのか、単純に気まずいからなのか知らないけど、だいたい外に降りている。

で、同じ境遇のインド人とぺちゃくちゃ話しているので、当方が時々ビビっている様子には全く気付かないのである。アホか!制止しろ!!

そんなこんなで待ってる間に、ママ友がお姉ちゃんを連れてアメスクを脱出して送って来てくれる、と言う超スーパーファインプレーを見せてくれ、とりあえず一安心。

アメスクの前は相変わらず通行止めだったので、しばらく外を歩かざるを得なかった為、お姉ちゃん的にもさすがに恐かったらしい。

当方は3時間かけて何とか自宅にたどり着いたのである。

なお、夜になっても一部エリアでは爆竹鳴らしたり、大騒ぎするたわけがいて、最終的にアメスクの生徒が全員家に帰れたのは21時前くらい。気の毒としか言い様がない。

あと、この話にはオチがある。

20日の時点でJallikattuやって良いよ、となった事は書いた。

当然、インド人は大喜びで3年ぶりのJallikattuを開催。

と思ったら。

牛の角に突かれて2人死亡。

なにしてんねん。。。

そりゃこんな感じになったら死ぬよね。

左側のヤツ、死んだだろ。

〜今日の教訓〜

岸和田市民だって、だんじり取り上げられたら暴れる。

そうか、インド人応援するべきなんだね!

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