安倍ちゃんのスピーチが上手だった件

 

って、一国の首相がスピーチ下手なワケないんだけど。

ニュースでも取り上げられていたが、安倍首相がインドに来た。

目玉は、モディ首相と新幹線の開発で合意する事。

実際に新幹線が整備されるのは、ムンバイ↔︎アーメダバードであり、アーメダバードのあるグジャラート州がモディ首相の出身州だからか、今回のイベントはアーメダバードで開かれた。

その式典？に行って来たのでその話でも。

 

小僧が参加出来た理由から説明してみる

まず、そもそも何でお前みたいなパンピーがその式典に？って所から申し開きを。

インドの自動車市場で、まさかの約50%と言うとんでもないシェアを持つ巨人、スズキさんから、

『グジャラート州の新工場の開所式をするから来てくれ』

と案内があったのが、8 月末。

 

明日までに参加者を確定しろとか、パスポートコピーを寄越せとか、やたらうるせーな、と思いながら参加表明をし、ホテルの予約に入った所、なんか知らんけどやたら高い。

 

去年Rs.6,500で泊まったリージェンシー（←参照！）が、Rs.16,200に値上げしてて、なんでやねん！って所から始まって、聞いてみたらホリデーインとかは満室、クラウンプラザとかも同じレベルだし、仕方ないので、ブーたれながらリージェンシーを予約。

 

9 月に入ってから、どうも同じタイミングで安倍さんも来るらしい、と聞いたので合点がいったのだが、ビビるレベルで高いのだ。

でもこの時点では、同じ日に同じ会場に来るとは全く思ってなかった。

 

そもそもスズキからの案内では、『10時半〜17時半までだよ』だけで、場所の詳細すら書いてなかった。

なので、こちらとしては、開所式なんだから工場でやるんだろう、と思って前泊をチョイスした訳で（空港から工場までは2時間半くらいかかる）、前日アーメダバードに到着すると、完全に安倍ちゃん一色。

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町中が安倍ちゃんの看板で埋め尽くされており、時々奥さんも出て来るのだ。

当方は、せっかくアーメダバードに行くから、と思って前日に打ち合わせを入れたので、前々泊の形になったのだが、2日前＝打ち合わせ当日になってようやくスズキから場所の案内があって、工場ではない、と言う事が判明。

前日に打ち合わせをした、アーメダバード在住の人も、

『明日、ひょっとしたらスズキの開所式に安倍さんも来るかもしれない』

とか言っていて、誰も真相を掴んでいなかったのだ。

 

当日行ってみると安倍ちゃんが来る式典だった

そんな状態の中、当日指定された所に行ってみると、こんな感じで、自衛隊？だかなんだかの警備の人が大量に。

 

ここからバスで移動でーす　みたいになって、マジかよ遠足かよ、と。

バスで30分弱かけて会場へ着くと、まー立派な状態に。

 

India Japan Annual Summit　ですって。

 

建物だって、こんな立派な造りなのだ。パノラマで撮ったらちょっとブスになってしまった。

 

おいおい、これはマジで安倍さん来るだろ、だからパスポートコピーだとか、セキュリティが厳重だったんだな、と思いながら中に入ると。

どん。

 

 

どどん。

 

もういっちょ。

 

えらい事になってるのだ。

 

すげー　とか思ってたら、その状態で２時間程ステイ。

セキュリティの理由から、パソコンも持ち込めなかったので、何もやる事がない。リアルに携帯をいじるか、寝るしかないのだ。

各社、社長さんとかもたくさん来てるにも関わらず、マジで雑な扱いと言える。

 

出席者の顔ぶれはさすがに超豪華

そんなこんなでようやく会が開始。

スズキの鈴木修会長を始め、経団連の榊原さんとかも登壇。

我らが安倍ちゃんも、モディさんと一緒に登壇し、こんな感じで勢ぞろい。

ちっちゃくて見えねー！

 

ちょっと寄せてみた。

 

真ん中が安倍ちゃん。

 

スクリーンとかもついてて、こっちの方が良く見える。同時通訳を聞く安倍ちゃん。

 

 

 

そして遂に安倍ちゃんのスピーチが開始。

 

後ろのSPはマジで会場を威圧していた。

 

俺と安倍ちゃんのツーショット　とか言ってやってしまうお上りさん。

 

とまぁこんな感じで安倍ちゃんのスピーチがあったのだが、まとめると、

新幹線の開発と、そこに日本が1兆円を出す

バラナシに日印友好の証としてコンベンションセンターを作る

職業訓練学校を日本の企業が中心となって設立する

スズキの新工場おめでとう

インドを初めて訪れた日本の首相・岸信介は自分の祖父である

敗戦国でまだ当時貧しかった日本の首相を、インドは温かく迎え入れてくれた

当時のネルー首相は、岸をリスペクトしていると言ってくれた

その瞬間、岸はインドラブになった

自分が初めてインドに来た時、５万人もの人が出迎えてくれた

自分もその瞬間からインドラブである

モディさんのメークインインディアとスキルインディアに共感しているので、協力を惜しまない

 

こんな所か。

岸のストーリーを交えた時から、インドの聴衆の反応が明らかに変わったので、そのネタを基に彼らの心を掴んだ事には、マジでさすが！と思った。インドラブかどうかは置いておいてだけど。

 

バラナシへのお土産はマジで無駄金説

それにしても思ったのが、バラナシのコンベンションセンターとかマジでいらんだろ、って所。

日本お得意の、地方にハコモノ作って、最初だけ盛り上がって、気付いたら維持費で財政火の車、ってヤツの典型になりそう。

 

バラナシって、ガンジス川の聖地で有名な所で、当然インド中・世界中から人は集まって来ている。

でも、観光目的だし、ビジネスでは誰も行かんだろ。。って気はする。

 

インド人のスタッフに、バラナシって良く行くの？と聞いてみたら、

一回も行った事がない

との回答。

 

なんで？と当然聞き直すと、

バラナシは聖地であり、人生の最後に自分の罪を洗い流す為に訪れる所だから、まだ30代の自分は行かないんだ

と言う、何となく納得感のある答えが返って来た。

 

こいつだけかもしれないけど、仮にそう言う考え方がメジャーなんだとしたら、

死ぬ前に行く人が多い→コンベンションセンターとか絶対行かない

って方程式があっさり成立する。

 

当方がインドにいる間には確実に完成しないと思うが、どんな風になるのか、成り行きを見守りたい。

 

スズキの開所式だって言ったヤツ出て来い

ってのと、スズキのパート、マジで少ないから！！！

修会長のスピーチはあったものの、そこの2〜3分と、安倍ちゃんとモディさんのスピーチの中で一瞬触れられただけ。

超高いホテル代とフライトチケットの代金、それから何も生産性のなかった待ち時間、全てを返せ！って話なのだ。

 

まぁ、両国首脳のスピーチを聞く機会なんてもうないだろうから良いんだけど、結構周りの日本人は『完全に騙された』と言って憤慨していた。

要は、最初から『この式典に出席してね、スズキのパートは一瞬だけだけど』と言うと誰も出席しないから、『開所式やるから来い』と言って、詳細も全て明かさずに、サクラを呼び寄せたんだろう、と言う考え方だ。

 

ちょっとだけ動画も撮ってみたので、後でアップしてみようかな、と思う。

 

〜今日の教訓〜

モディさんの演説マジで上手。

 

安倍ちゃんは原稿読んでたけど、モディさん原稿なしやで。

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