世の中、色々な団体・法人がある。
財団法人、宗教法人、NPO・・・・
その中で、公益社団法人、と言う大層な冠を戴き、日本料理の普及に勤しんでいる団体がある。
その名も『日本料理研究会』。
大学のサークル?みんなでせっせと和食でも作ってんの?とか思うなかれ。
和食が、ユネスコの無形文化遺産になった事は有名だが、その和食を広める為に一生懸命活動している集団なのだ。
日本料理研究会のコンセプトとは?
彼らのビジネスは、『ホンモノの日本料理の技術やレシピを活用して差別化を図りたい店舗や料理人』に対して、講習会や技術指導、料理人派遣等を通じてスキルアップを行う事、が基本的なフレームになる。
つまり、そのマーケットに『ホンモノを求める顧客』がいないと全く成り立たない。
逆に言えば、日本食屋が溢れていて、なかなか差別化を図る事が難しく、『authentic』を差別化要因に持って来ようとするマーケットが有望、と言う事になる様だ。
傾向として、そのマーケットは、
『日本との文化相違度が低い地域、文化寛容度が高い地域』
と言い換える事も出来る。
昨今のインバウンド増加等により、漸進的に文化相違度が下がり、逆に寛容度も上がって来る事が予測出来るが、現時点で強力な自国文化を持つ国はターゲットとしては優先順位は下がる可能性がある。
まずはシンガポールでの活動の告知から
そんな事を基本情報として、簡単に彼らの活動を紹介してみるが、シンガポールで来月、こんなイベントが開かれる様だ。
竹葉亭と言うウナギ屋さんで、Dinner一発SGD80、とかなりの強気な価格設定ながら、ホンモノに触れられるイベントである。
次回シンガポールに行く際に、この竹葉亭に行く事は決定しているが、今回は行けないので、もしシンガポールでこれに参加出来る可能性がある人がいればトライして欲しいし、金持ちシンガポール人に紹介してみて欲しい。
そこからの文化連鎖が非常に楽しみである。
ついでに料理人向けの告知
もういっちょ告知となり、どの立場で話してんの?って感じなのだが、この日本料理研究会、ネット上で一流料理人(それこそ道場六三郎とか)が長年培って来たレシピを惜しげも無く公開している。
さすがに日本語版は有料だけど、見ているだけでも楽しめる。
英語版はこちらになるが、まさかの無料。
会員登録さえすれば、一流料理人の技が一般人でも盗み放題なのだ。
漸くインドのお話
と、相変わらず前段が長いが、ここでやっとインドの話に移る。
インドにおいては、デリーを中心に日本食屋さんはそこそこの数が進出して来ている。
が、どれもこれも『家で食べられる様な日本メシの延長線』とでも言おうか、本格的な料亭で食べる様な和食ではない。
ホテルとかに置いてあるのも、巻物系の寿司くらいなモンだ。
もちろん、それはそれで美味しいし、現実的にはそれを涙を流しながら食べているので、そこを否定しているワケではない。
どれもこれも美味しいけれど、『ホンモノの日本料理』ではないよね、と言う点だ。
当方の定宿、グルガオンのリージェンシーにおいては、うな丼と称してひつまぶしみたいなこいつが提供されてたり、
豚焼き鳥と言う謎の名前で豚串が提供されていたりする。
これがレシート。どっちやねん!
そんなインド。
日本料理研究会の冒頭のコンセプトから考えると、1点目の『ホンモノの提供で差別化』はいくらでも出来るだろう。
一方で、ガチの料亭料理を受け入れる素地=文化的な寛容度があるのか?は微妙だし、ホンモノの提供の前にまだまだ差別化要因はたくさんありそうな気もする。
とは言え有望なマーケットだと思っている
文化寛容度、と言う点においては、インド料理は決定的に日本料理とは考え方(こちらのエントリ参照!)も味も違うワケで、特に味の違いは、前回の日清カップヌードル事件からも分かる通り、非常に顕著である。
なので、どこどこの国のトラディショナルな料理だよ〜と言って、ぽこんとその料理をインドに上陸させても、見向きもされない可能性は確かにある。
ところがバットハウエバー。
和食って、味以外にも、盛り付け等の見た目にも極限までの技術力が込められているワケで、そんじょそこらの『伝統的な料理』とは一線を画すモノだと思っている。
日本人ですら殆どの人が出来ないんだよ?と言う意味においては、希少性は非常に高い。
この『希少性』と言う点がしっかりと理解されれば、インドに山ほどいる金持ちの中には、ドハマりする人がたくさんいると感じている。
なので、シンガポールなんかに留まってないで、是非ともインドまで来て欲しいのだが、全然その動きがない。
日本料理研究会は築地にあるので、誰か脅迫電話をかけた上で、直談判して来て貰いたいのだ。
と言う事で、どの立場で書いてるのか良くわからなくなってしまったが、ホンモノの和食がインドで広がれば、ますます在留邦人も増えるだろうし、訪日するインド人も増えるだろう。
何なら接待の幅も広がる事になって良い事尽くしなんだから、ビジネスチャーンス!と捉えて、是非ともインドでそう言った活動をして欲しい、ってお話なのだ。
在インドの日本人の皆さんには、上記の無料英語版で本格和食にチャレンジ!してみてもらいたい所。
こう言うの作ってみて出来たら、絶対テンション上がると思うんだよね。
〜今日の教訓〜
JETRO辺りにこの手のイベント主催して貰いたいそしてモチカネインド人を招待して奴らをインフルエンサーにして和食を広めたい。
なげーよ!
コメント
はじめまして!
私、現在長崎で日本料理をしてます川下と申します。
先月、ハイデラバード、チュンナイ、バンガロールを周りながら大学、料理学校での和食のワークショップや五つ星ホテルでのJAPAN Food festivalなどを行いインドにおける日本料理の需要と可能性をひしひしと感じました。詳しくお話したいのですがfacebookかinstagramやられてますか?
コメントありがとうございます。
ご記載頂いたメールに送信しましたが、宛先不明で戻って来てしまいました!!
9ではなく6です!間違えてました(T ^ T)再トライお願い致します。