昨今、日本の統計があまりにいい加減だ、みたいな話が世間を賑わせている。
真面目で勤勉な日本人が、こう言う地道な作業で手抜いたら競争力落ちるだけだろ、と思ってしまうのだが、逆に世界の他の国で統計が信用出来る国なんてあるんだろうか、とも同時に感じる。
数字が信用出来ない国と言えばどこですか?と言う問い掛けがあったとしたら、結構多くの人が
中国かインド
と答える様な気がする。少なくとも当方は、今持っている経験からはそう答えるだろう。
以前、こちらのエントリで、
インドの失業率が3.5%らしい、それは全然肌感覚と合わない
と言った趣旨の話を書いた。
当時(2018年1月)の時点でアメリカですら4.1%だったのに、街中であれだけ人がぼけっとしてるインドが3.5%なワケねーだろ、と言うのが正直な所。
その一方で、分母を何にするか(アウトオブカーストの人を含めるのか、等)によって数字は簡単に変わるよな、とも思った。
そんな中、当方が愛読するNNAと言うサイトにこんなニュースが。
2月の失業率は16.45% 、前月から大幅悪化
むむむっ!?
一瞬我が目を疑った。ケタ違わね?と。
このニュースの要点は、
- インドの独立系シンクタンクのインド経済監視センター(CMIE)が2019年2月の失業率を発表
- それによると、前月の7.05%から大幅に悪化し、2月の失業率は16.45%だった
- 2018年2月は5.87%だったので、そこからも大幅に悪化している
- 内訳としては、都市部が16.66%、地方が16.33%
- 1月はそれぞれ8.72%、6.25%
- エリア別では北東部トリプラ州が26.1%でトップ
- 2位はまさかのハリヤナ州(グルガオンがあるトコ)で21.3%
- その他、ジャムカシミール・チャンディガル・ヒマチャルプラデシュ・パンジャブ・デリーNCR・ビハール・ラジャスタンが10%超え
- 失業率が最も低かったのはポンディシェリで0.9%だった
となっていた。
なんだか、色々突っ込む所が多過ぎるが、一か月でそんなに数値が変わって不思議に思わねーのかよ、と言うのと、それをしれっと発表出来る根性が純粋にすごいと思う。
当方がこの機関の人間なら、自分の持ってる数字の信憑性が怖すぎて、発表なんか出来ない。
何かの間違いなんじゃね?と思って、このCMIEのサイトを訪ねてみた。
すると・・・・
おい、数値修正されてね?
2月は7.23%になっており、どこにも16.45%なんて数値はない。
これは、NNAがデマを流したか、NNAはちゃんと16.45%と言う数値を確認したのにCMIEが後でしれっと修正したか、どっちかだろう。
1月とかの数値はNNAが書いてる通りなので、後者の様な気がしないでもないが、まぁどっちでも良い。ハリヤナ州の21.3%はそのまま残ってるしね。これはこれで、ほー と言う感じだ。
しかし、失業率ってのはこんなに乱高下するモンかね?と言うのはどうも腑に落ちない。
気になったので日本の失業率の推移も調べてみたが、統計局が出してるのはこんな感じ。
※リンクはこちらから。
何倍とかに動いたりするワケないと思うんだよな。。
やっぱり、インドの数字って信用できね。
CMIEのサイトはこちらから!
〜今日の教訓〜
マジで分母をどう計算するかでコロコロ変わるはず。
人は確かにいくらでもいるけどなぁ。