当ブログでも何回か触れている、日本におけるサービスクオリティについて。
過去エントリは、こちらをご参照。
今週の日経ビジネスが面白いので是非読んで頂きたいのだが、インドで暮らしていると、日本のサービスはなんてすばらしいんだ、と感じてしまう。
なんだその感想、ボキャ貧かよ、との評価は甘んじて受け入れるが、それが偽らざる感想なのだ。
勿論、個々の中身に対しては『行き過ぎ』とか『しつこくてウザい』とか色々あれど、全体的にはサービスと価格が連動していない事実を日本人は認識すべきだ。
この事を強く思ったのが、この日経ビジネスの中に書かれていた、『日本のサービスが外国と比べて優れているかどうか』についてのアンケート。
国内の消費者1,036名を対象に、と書かれているので、どの層の人を対象にしたのかは知らないが、回答としては以下の通り。
とても優れている;48.7%
どちらかと言うと優れている;35.3%
どちらでもない;14.0%
どちらかと言うと劣っている;1.4%
劣っている;0.5%
おい、ちょっと待て。
この手の調査では、
『優れているカテゴリー』が84.0%で、『劣っているカテゴリー』の1.9%を大きく上回った
優れていると認識している人が大多数であるが、少数派ながら、改善が必要と考えている人もいる
が結論になるんだと思う。
だが当方としては、
『とても優れている』を選ばなかった人が51.3%もいる
の方が驚き桃の木山椒の木なのだ。
冒頭でも述べたが、勿論個々のサービスにおいては、その店の伝統のサービスを守っていたり、良かれと思ってやっている事が、消費者目線では一方的な押し付けの様になってしまっている場合も存在しているとは思う。
典型的なのが、服を買いに行った時に付きまとう店員とか、心のこもってなさそうな『いらっしゃいませ』を連発する店員、とかだ。
だが、全体的な視点に立った時、日本のサービスレベルが他国に対して劣る、なんて事は絶対にないはずだ。絶対に、だ。
世の中に絶対なんて言葉ないぜ じゃない。繰り返すけど、絶対に、だ。
日経ビジネスの中に、欧米等の他国が、自分を中心に置いて行動する『自分中心の文化』であるのに対し、日本は相手との関係性を重視しながら行動する『間柄の文化』だ、との記載があった。
これはかなり腹落ちする。
日本人は、歴史的には自然体で『相手がどう思うか』を慮って来たワケで、そこにはある種の『対等性』があった、と言う事だ。
その『慮る』の中には、相手を如何に不快にさせないか、の要素が内包されるので、『サービス』なんて概念を考えなくても自然とサービスレベルは高くなって来たはず、と考えている。
この観点から言っても、他の世界のどこに日本を上回るサービスレベルを『自然体で』提供出来る国があると言うのか。教えて欲しい。
当然、当方は住人としてその国のレベルを体験した事があるのはインドだけであり、それ以外の経験で言っても1か月くらいのアメリカプチ留学くらいしか経験がない。
従ってもっと視野を広げれば、世界のどこかにとんでもないサービスレベルを、国全体として価格と連動せずに提供している国があるのかもしれない。
でも、世界の大多数は『サービスは価格と連動する』国であるはずだ。
当然、高い金出せば、それ相応のサービスは受けられる。それは当たり前。
その部分を、日本人はもっと認識すべきだ。
支払いの多寡に関わらず、高品質のサービスが受けられて当たり前、とかなりの人間が思っていて、サービス提供側の企業がそれにビビって無理矢理接客をマニュアル化したり評価システムを作っちゃったりして、結果的に『お客様は神様』みたいな考え方が蔓延してドツボにハマる、この構図を変えないといけない。
お客様は神様でも何でもないんだよ、神様になりたかったら金払えバカたれが って話だ。
一応補足しておくと、価格が安い業態、例えば100円ショップとかコンビニ等において、サービスレベルを下げろ、と言っているワケではない。
海外みたいに、店員がおつりを投げて渡したり、レシートとかをテーブルに叩きつけたりして来たら、そりゃ怒ってしまう。
そうじゃなくて、自然体で出来る接客レベルにしようね、そして消費者も金を払っていたとしても、気遣いに対しては素直に『ありがとう』と思える様になって、なんでもかんでもすぐにクレームに結びつける様なクソみたいな考え方をやめようね、って事だ。
その定義付けはどうすんだよ、と言うのはまた別の議論が必要になるんだけど。
一義的には、『失礼のないレベル』って感じじゃないの、と思っているが。
失礼って何を以って失礼って言うんですか人それぞれによって失礼の捉え方は違うと思うんですがそこの定義付けもなしにこの結論はないんじゃないんですかその辺はどう思うんですかそこを書かないとクソ記事ですよ
とか言わないでね。泣いちゃうから。
なお、さっき書いた『服を買いに行った時に付きまとう店員』については、インドにおいてはここの徹底ぶりは凄まじい。
入店した瞬間、万引き犯を狙うGメンの如く店員が当方にぴったり張り付き、結果的に当方は万引きを断念すると同時に、買い物すらも断念するケースが多い。
同じ行為であっても、日本においては、根本的には『お客様に最良の選択肢を提案する』みたいなのが多少なりとも背景にあるんだろうな、とは思いつつ、インドにおいては『買うかもしれない客を絶対に逃さず売上を1ルピーでも多く上げる』に大幅にシフトしている様に感じてしまうのはまた別の話。
〜今日の教訓〜
インドでは万引きは難しい。
そもそも店入った瞬間に、カバンとかクロークに預けろって言われるしね。