最近の若者は耐性がなくて・・・とか言う話を良く聞く。
ある意味当たっていてある意味違うんじゃないかな、と思うんだが、戦争を経験して、日本を復興させた鉄人さんに比べれば、今の60歳くらいのオッサン連中だって、いくら優秀でもほぼ漏れなく『ぬるい』連中に映るはずで、生きて来た時代が違う時点で、自分に基準を置いてジャッジしてはいけない、と思うのだ。
ただ、耐性がない、の指摘に当てはまる輩はたくさんいる気も実際にはする。
当方のかなり偏った考え方では、そいつらはきっと今までの人生で、『自分でコントロール出来ない理不尽な事』をあまり経験して来なかったのでは?と思っている。
理不尽とは、大辞林によると『物事の筋道が通らないこと。道理にあわないこと。また、そのさま。無理無体。』と解説されている。
インドに来て、これは理不尽だな、、と感じる事が多々あるので、その話でもしようかと思う。
基本情報;部下にパンチャーを抱えている
当ブログにちょいちょい登場する、デリーのマネージャー、Y君。
彼のポンコツぶりはなかなか目を見張るものがある。
良い点を探すのが極めて難しく、『ブログのネタに出来る』くらいしかないのが偽らざる本音なのだ。
先日、お客さんに出す見積の価格チェックをしていた時のやり取り。
僕 :金型代は製品単価に入ってる?
Y:イエッサー!
僕:コストにも入ってる?
Y:イエッサー!
僕:コストシート見せて。
、、、、、、、、、、、、、、
、、、、、、、、、、、、、、
僕:入ってないじゃん。
Y:入ってるってR(退社済)が言ってました!
僕:てめーウソついてんじゃねー!ここに別枠で書いてあるだろ!
もう一つ、この10分後に、お客さんとの契約書についてのやり取り。
お客さんが別法人を作る事になり、契約書をほぼコピーして、社名を変えただけ、くらいの状態でサインオフしたい、と言うリクエストが背景にあったので、一応中身を確認していたのだ。
僕:新しい契約書に書いてあるこの部分、前の契約書にはなんて書いてある?
Y:前の契約書にはその記載がないんです。
僕:そんなワケねーだろ。もっかい確認して報告して。
、、、、、、、、、、、、、、
、、、、、、、、、、、、、、
Y:やっぱりありませんでした。
僕:嘘つけ、そんなワケないんだって。古いの見せてみろ。
Y:ほら、古い方の第10項には違う事が書いてあるじゃないですか。
僕:お前さ、1ページめくって前後見てみろよ。第9項に思いっきり書いてあるじゃん。
Y:・・・
部下がどんなスペックでもきちんと成果を出さなければならない
こんなヤツでも、頑張って教育しようとして、何回も見本を見せてやり方とか考え方を教えてんのに、モグラ叩き状態で次から次へとミスをして、しかも明らかに確認を怠ってる様子(契約書の件)が見えるし、何なら適当にウソまでついて来やがる(見積の件)場合、どうしたら良いんだろうか。
もう、豊田議員の気持ちが痛い程わかる。髪の毛掴んで机に顔面叩きつけて、その勢いで髪の毛も全部抜いてやりたい衝動に駆られるが、そんな事をしたらタイーホされてしまうのでやらない。
でも、そんくらいの感情になってしまうのだ。
と、こう書くと、大半の人は、大変だね、とか、そいつダメだね、とか、クビにしちゃえよ、とか、マジウケる、とか言ってくれるんだけど、実際には会社と言う組織においては、そう言うヤツを使いこなせないのはマネジメント能力がないからだよ、ってな評価になってしまうワケで、そんな理不尽な話あるかよ、とシーツを食いちぎってしまう勢いなのだ。
理不尽の巣窟とも言える大学の体育会でもそんな事は習わなかったワケで、どうしたら良いか本当にワカランチ会長なのである。
完全に愚痴になってしまったが、今日のお題はこの『理不尽』を考える事なので、愚痴はここで終わらす。
理不尽な経験は人間を大きくする、はず
冒頭で書いた通り、理不尽な事象の経験値は、その人の深さを決める重要なファクターになるものだとかなり思い込んでいるが、当方の原点は99%が大学の体育会での生活にあると思う。
そりゃもう色々あったが、1年生の時が一番エグかった。
夏合宿では、3部練(早朝・午前・午後)だったのだが、早朝のフィットネスは、寝起き後の朝飯前に行っていた。
確か5時半から走り出していたので、1年生は4時半には起きてグラウンドに行き、グラウンド整備をしなければならなかった。
目覚ましが鳴った瞬間、光の速さで止めないと4年生が起きてしまうので、そこの瞬発力は磨かれたと思うが、それでもやっぱり敏感な人は起きてしまう。
序盤は、うるせーな、だけで済んでいたのだが、終いには、
『お前らだけ早起きでかわいそうだから、俺らも一緒に起きてやる、ただ、一発で目が覚める様に、部屋を出る前に全員を起こして、一発ギャグやれ』
と言う意味不明な状態に陥った。
しょうがないので何かしらやるのだが、寝起きのせいで全員が全員クソテンション低いので、会心の出来!と思ったギャグでも1ミクロンも笑いは起きないのだ。
やり損としか言い様がない。
そんな事を続けていたら、他の部屋の4年生とかの耳にも入ったらしく、あと、1年生の時の当方はちょっと悪い意味で目立ってしまっていたので、ある晩突然空き部屋に呼び出され、何だよもう、、と思いながら行った所、
『とりあえず全裸ね』
から始まって、
『今から、俺らが良いよって言うまでギャグやり続けろ』
と言うこれまた超絶エグいご命令。
10発くらい放って、1発しかウケなかった記憶があるが、こんなん今の時代だったら裁判沙汰になってもおかしくないのだ。
こんな感じで、エグいネタには事欠かないのだが、もう少し年代が上の先輩方に話を聞くと、『俺らの頃はもっとエグかった』が始まるワケで、やっぱり違う世代で比較しちゃいかん、ってな話になる。
一方で、今の若い子達って、この手の話があるのか、ちょっとわからない。
実際に自分の後輩達に話を聞いても、なんか和気藹々と先輩後輩は接してるみたいだし、理不尽な体験ってどこで出来るんだろう、と不安になってしまう。
ただ、彼らの感覚からすれば、理不尽な事はたくさん起きている可能性があり、そこはやはり世代間ギャップ的なものがあるから、『理不尽は存在する』事を前提にする。
理不尽な事態への対応が重要
大事なのは、程度の差はあれど、その理不尽に直面した時、どんな行動を取るか、だと思っている。
理不尽と感じる=なんで自分がこれをやらなければ、或いはこんな目に遭わなければならないのか理由がわからない、と言う状態なワケで、脳がNoと言っている事になる。
脳がNoと言っている時に取る行動は、
そんな事出来ないと言って回避する
こんなモンかと思いながら流れに身を任せる
理由がわからない事を理解した上で対応する
になるかと思う。
他にも、代わりにその役目を担ってくれる生贄を差し出す、とかもあるが、それは今回は置いておく。
当方の中では、この並びの順の通り、一番下のが良い対応だと考えている。
つまり、なんでこんな事やんなきゃいけないんだよ、と言う感情はしっかり持った上で、それでも何か少しでも得られるものがあるかも、と思いながら対応する、って事。脳がNoと言っても、Yesと答える、と言う事だ。
最初のはある意味逃げだし、二番目のは思考停止なのであんまり良くない。
なので、話を当方の愚痴に戻すと、こんな使えないヤツを相手にしていたとしても、それは将来の自分のマネジメント能力の向上に繋がるかもしれない、とポジティブに捉えて、もっと頑張れ、って事なのだ。
と言うか、そう思わないとやってられん。
このブログを、例えば旦那のインド赴任が決まった日本在住の方が見てるとしたら、インドへの引越しなんてかなりの理不尽感があると思うが、プラスになると考えて、是非前向きに捉えてみて貰いたい、と言う話である。
整ったね。
まだまだ続くよ体育会系理不尽ネタ
なお、少し上で書いた、脳がNoのギャグの絡みで。
かのシュワルツェネッガーさんは
『筋肉がNoと言っても私はYesと答える』
と言う名言を残している。
それを知った当方の先輩は、ウェイト場でそれを連呼しており、ベンチプレスとかで途中で死んで、バーベルを挙げられなくなった状態の当方に対し、
『お前はなんて答えるんだ!』
と呼びかけて来る様になった。
バーベルが全く動かないレベルで死んでいるんだから、喋るのも正直辛い状態であるにも関わらず、そこで『Yesです!』と絶叫しないとヘルプして貰えない、と言う、これまた理不尽な話があったのだが、それはまた別の話。
ってなワケで、インド赴任は良い経験だよ!と言うのを結論としておく。
でも理不尽な事だらけだよ。
〜今日の教訓〜
それでもやっぱりクビに出来るならしたい。
マジで疲れるんすよ。