脅すと物事が前に進む件

かなり穏やかではない表現だが、恐喝まがいの話ではないのでご安心を。

ご存知の通り、インドは何事もきちんと前に進まない。

大抵の事はガマンするしかないが、ここぞと言う時には脅しが必要だよ、と言う趣旨のお話なのだ。

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2minutesは120secondsではない

インドにおける時間の概念は、正直かなり崩壊している。

今日中にやる!は絶対守られないし、明日やる!は明日やれたらいいな、ってな感じだし。

インド人は、いつやるの?って聞くと、2minutes!って良く返して来るんだけど、これは2分って意味ではなく、ちょっと待って!が正しい訳。

時々5minutes!って言うので、これは2minutesと言える程自信ないんだろうな、1時間コースだな、とか思う。

でも、どっちにしろそんなに待てないので、当方の前で迂闊に2minutes!と言ったインド人は、

おっけー120secondsね。俺今からカウントするから。120秒ならここで待ってるから。

と言われて追い込まれる運命が待っている。

すると、だいたいのケースにおいて笑って誤魔化して来るので、更に

What is funny?

とぶった切られ、仲が悪くなるパターンだ。

なので、最近は当方に対して2minutes!と言う迂闊な輩はかなり減って来た。

是非皆さんにもトライして頂きたい。

社外の人には効果なし

が。

これは、あくまで仕事でしょっちゅう絡む社内のヤツにしか効力を発揮しない。基本的に。

アパートのメンテナンスのヤツとか、エアコン直す業者とか、『その時しか会わないであろうインド人』は、当然『2minutes!』とか『今日中にやるぜ!』とか迂闊に言いまくる。

その度に、上述の様な追い込み方をしても別に良いのだが、まぁまず効果がない。

インド人的にも、

こいつ何言ってんの意味わかんないんだけど

みたいな捉え方だろうし。

なので、ガマン強く待った上で、限界点に近付いたら他のやり方に変える=脅す、と言うのが適切と言える。

いくつか例を挙げてみよう。

iMacを買った時の事

去年の日本人会忘年会に合わせ、iMacを購入した。

動画を編集したかったから、と言うのが一番のモチベーションだった、って事にしているが、そもそも当方がアップルにカモられてる事が最大の理由だろう。

何れにしろMacを買う為には、当然家電量販店に行く必要があり、フェニックスモールに入っているCromaと言うお店に行った。

ちなみに、入店した時点で18時を超えていた。

僕;iMac買いたいんだけど。

店;在庫がないので、よその店から持って来ます!

僕;どんくらいかかるの?今日持って帰れるの?

店;もちろんです!30分です!

僕;オッケー。じゃあスタバ行ってるわ。

~30分経過~

僕;来た?

店;on the wayです、サー!

僕;おせーよ、お前30分って言っただろ。ホントに持って帰れるんだろうな。

店;大丈夫です!今支払いしてくれれば、確実に今日お渡しします。

僕;わかった、払ってやる。あと何分だ?

店;(誰かと電話をして)あと30分です!

僕;さっきと同じじゃん。全然信用出来ないんだけど。そいつ今どこにいんの?地図で見せろ。

店;ギンディー(フェニックスがあるエリア)です!すぐ来ます!

僕;オッケー。もっかいその辺ぶらぶらして来るわ。

~30分経過~

僕;来た?

店;すみません、違う型番である事がわかったので、今日は無理です!明日お届けします。

僕;てめぇふざけんな!お前ウソツキかよ!

店;ノープロブレムです、明日は必ず届けますから!

僕;プロブレムしかねーよ!明日の何時何分だ、そこまでコミットしろ!

店;明日の11時で大丈夫です!必ず手配します!

~翌日の11時~

僕;約束通りの時間に来たぞ、Mac出せ。

店;on the wayです、サー!

僕;何なの?俺を怒らせたいの?あと何分かかんの?

店;30分です!

僕;それ何回も聞いた。あと10分で来なかったら金返せ。キャンセルだ。

店;キャンセルは困ります。ちょっと待ってください!(電話しながら裏に消える)

~5分後~

店;はい、Macです。30分以内で着いたでしょ!

僕;まず謝れバカ!

店;そーりー、さー。

最初からやれ。

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いらない家具が家にあった時の事

単身赴任中に契約した家の話だが、家具の搬入日にインドにいなかったので、HRのスタッフに、ここにこれ、あそこにこれ、と言った形で配置図を渡し、セッティングまで指示しておいた。

帰国して家に入ると、ある程度指示通りにセッティングされているので満足していたが、良く良く見ると、全く必要のないソファーが置いてある。

オーナーが元々置いていて、これいらないから撤去しといてね、とオーナーに言っておいたヤツだ。誰が座ったかわかんない様なソファーでくつろぎたくないからね。

なんなんだよ、、と思いながらオーナーが雇っているメンテナンスのヤツに電話。

僕;ソファーいらないんだけど。撤去してよ。

メ;わかりました、サー!土曜日に行きます。

~土曜日~

当然来ない。そう言えば時間指定してなかったな、しまった…と己の詰めの甘さを悔やみつつ再度電話。

僕;お前土曜に来るっつっただろ、いつ来るんだ。

メ;業者を向かわせます!

僕;なんで今からなんだよ、早くしろ。何時に来るの?

メ;夕方の5時頃に行きます!

~夕方~

予想通り来ない。

僕;5時過ぎたんだけど。どうなってんの?

メ;すみません、今日は行けないみたいなので、明日行きます!

僕;オッケー。このソファー窓から投げとくから、下でお前が回収しといてね。

返事も待たずに電話を切る。ソファーなんか重いし、7階から投げたら下にいるメンテナンスのヤツが死んじゃうので放置。

~10分後~

メンテナンスのヤツと共に業者が到着。ソファー回収。

最初からやれ。

Regencyのコーポレートレートの件

ちょっと時間の概念の話からズレるが、本質的には似た様なお話。

当方がデリー出張の時、Hyatt Regencyを定宿にしている事は何度か書いた。

元々、当社のチェンナイ駐在員は、以前のエントリでdisりまくったMisakiホテルに泊まっていたのだが、そこに記載した通り、クソみたいなサービスに成り下がって来たのでRegencyに切り替えたのだ。

元々はRs.6,500+Taxの通常料金で宿泊していたが、一人で年間50泊くらいするペースで利用しているので、コーポレートレートのネゴを開始。

結果、Rs.5,300+Taxまで下げる事に成功したのが今年の頭の話。

で、当時は契約書の中身をあんまり見ていなかったのだが、どうやら9月末とかで切れる契約だった様で、レートの見直しを迫られた。

当然、前回と同じで頼もうと思っていたら、クソ生意気にも

Rs.6,000+Taxでお願いします

と返って来る。はぁ?

君は何を言っているんだい?そんな価格が本当に顧客に充分なValueを与えていると思っているのかい?

と返しても、環境が変わって云々とワケのわからない事を延々と言って来る。

頭に来たので、

オッケー君のスタンスはわかった。僕は二度と君のホテルは使わないし、グローバルの当社従業員10万人に絶対にここのホテルは使うなって言っておくよ

と言った瞬間、

サー、Rs.5,500+Taxでどうですか?

との提案。

最初からやれ。

ちなみに、10万人に一斉にそんな事を言う方法もないし、権利もないのは火を見るよりも明らかである。


てな感じで、思い出すだけでもなんか不愉快だけど、これがインドスタンダード。

この前、小学生が発表会で言ってたけど、郷に入っては郷に従え、なので、もう慣れるしかないのだ。

~今日の教訓~

初期段階のムダな何往復かのやり取りは避けられない。

最初からスムーズに進むケースなんか殆どないんすよ。

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