【読書の春】通信の世紀

今は春なのかまだ冬なのか良くわからないが、3月って春じゃないの?って事で読書の春、にした。

コロナボンバイエのせいで土日もヒマなので、本をちょいちょい読んでいる。

って事で、本日のご紹介はこちら。オチも何もないのでご注意である。


今、何気なく使っているインターネットや、その前時代のFAXやテレックス(使った事ないけど)、もっと遡った通信手段の歴史について解説されている。

本の始まりは、1872年の岩倉使節団の訪米。

その時点で既にアメリカ→イギリスの海底ケーブルは出来ていて、サンフランシスコで岩倉使節団が打った『サンフランシスコに着いたよん』の電報はサンフランシスコ→大西洋ケーブルを経てイギリスへ、その後欧州・アジアを経てほぼ1日で長崎に着いたのに(太平洋ケーブルがなかったので逆回り)、東京↔︎横浜間と神戸↔︎大阪間しか電信回線のなかった日本では、飛脚がその電報を10日がかりで東京まで運んだ、と言うストーリーから始まる。

そんな感じで、黎明期は電信後進国だった日本が、如何にしてそのインフラ戦争に挑んだか、みたいな歴史がメインなのだが、最も詳しく触れられているのが太平洋戦争の経緯。

なんで最後通牒が真珠湾攻撃より遅れたのか、とか、開戦前後の情報戦について詳しく書かれている。

7章構成の本書は、大体が各章30ページくらいなのに、この『そして対米最終通告は遅れた』の章では、倍以上のページ数が割かれている。

ミッドウェー海戦の時、日本軍が使っていたAFと言う隠語がミッドウェーエリアの事を指している、と言うのを証明する為に、アメリカ側が

ミッドウェー島の真水製造装置が故障している

と偽の無線電報を飛ばした所、それに日本軍があっさり引っ掛かり、

AFで真水が不足している

と言う内容の無線電報を打ってしまった、このストーリーは知らなかった。

最終的には、現代のインターネット社会において、

  • 我々の行動が全てGAFAに集まりつつある事
  • 彼らが自前の海底ケーブルの敷設に手を出している事
  • その目的は各国にある自社のデータセンターを光ファイバーで結ぶプライベートネットワークの構築にある事

から、その動きに後れを取ると、日本の通信会社に残される仕事は国内伝送路の管理だけになってしまうぞ、と言う警鐘を鳴らして締められる。

今まで全く関わりのなかった分野の話であり、知らん事ばかりなのだが、なるほどな、と思う本だった。

宜しければどうぞ!

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