とにかく日本に帰任したくない件

いきなりだが、チェンナイはかなり魅力的な赴任地だと思っている。本気で。

当方、海外駐在経験がチェンナイしかなく、他の土地との比較のしようがないので、

チェンナイは海外赴任地の中で最も魅力的だ

と高らかに当方がほざいた所で、全く以ってウソはついていない。上からも1位だし、下からも1位だ。それが真理かどうかは置いておいて、ウソではないのだ。

なぜ魅力的だと思うのか?

これについては書き出すと止まらないはぁはぁなので、自粛しておく。

過去に何度か触れた事があるので、こちらこちらのエントリを参照頂きたい。

が、最も大きいと思えるものからベスト3だけを書き出すと、

  1. 家族との思い出プライスレスがたくさん作れる
  2. 仕事の裁量が広がって偉くなった気になれる
  3. 人間関係が心地良い

になる。

プライスレスについては、恐らく他の赴任地も一緒だろう。海外赴任の特権なのではないかと思われる。

偉くなった云々については、歩く承認欲求と称される当方は、

Good morning sir!!と言われるだけで盛り上がる

ので、かなりバイアスがかかっている可能性は否定出来ない。

実際、裁量も広がったワケではなく、『そんな気がしてるだけ』なのだが、日本よりは仕事は確実に楽しい。ムカつく事は日々起きているが、相手にしてるのがビキニギャルなので良いのだ。

今日書きたいのは、最後の人間関係について。

チェンナイは700名程の日本人がいる。

他のエリアでの駐在経験が豊富な方から色々と話を聞くと、

ちょうど良い規模感

らしい。どう言う事か。

曰く、

少なすぎるとそもそも生活が困窮する(日本食屋とかも何もないとか)可能性があるし、多すぎると人間関係が煩わしい

との事。わかる気がする。

スポンサーリンク

チェンナイでは、日本人会の忘年会と言うのが12月に必ず行われる。これは大人から子供まで全員が参加可能。

700人くらいの日本人数に対して、忘年会参加者数は良く覚えてないが確か約400〜500名くらいだった気がする。恐ろしいレベルの参加率だ。

これだけを見ても、チェンナイの日本人会は結束が高いと表現する事が大外ししているとは思えない。

例えば、同じインドで、日本人が5,000人を超えるとされるデリーにおいては、忘年会は子供が参加出来なかったり、そもそも去年に至っては、忘年会自体がなくなったとも聞いている(誤報だったらゴメス)ので、ウン百人の規模でこの参加率はすごいな、と純粋に思う。

そして、この忘年会においては、

前の年の9月〜その年の8月までに赴任した人(厳密には日本人会に登録した人)を新人と称し、新人芸をやらせる

と言う、活字に直すとパワハラ要素しか感じ取れないイベントが行われる。

チェンナイは、かなりの企業がハードシップを高めに設定している様だ。つまり、生き辛い赴任地とされている。

その影響か、赴任期間も短めに設定されていて、早い人なんか1年ちょっとで帰ってしまう。

1年で何が出来るのよ?と正直思ってしまうが、3年以上いる人の方が恐らく少ない。この点は後ほど触れる。

従って、人の入れ替わりが激しく、この『新人』は毎年100名〜200名を数える事になる。

彼らを5〜6グループくらいに割り振り、持ち時間15分で出し物をさせるのがこの新人芸と言うヤツだ。

当方も、赴任した当初は、

なんだよそれ、大人になってまで学芸会かよ、クソかったりぃわ

とか思っていた。

んが。

やってみたら超楽しかった。ナニコレ。

大の大人が、10月と11月の土日をほぼフル活用して、出し物の準備をする。

ダンスとかもする事になるのだが、オッサン達が、

ちげーよ!そこは腕をこうだよ!こう!

とか言いながら練習をしている絵はかなりシュールだ。

同じ釜のメシを食う、じゃないけど、何か一つの目標に向かって行動を共にすると、人間関係が濃くなるのは世の常だ。

当方が、未だにラグビー部の連中と良く遊ぶのはその表れだし、読者諸賢も高校の部活の友達とは未だに仲良かったりするのではないだろうか。

もちろん、色んな人がいるので、チーム内で揉めるケースはたまにある。

我がチームでもそれが全くなかったか?と言われると、えへへとか言いながら誤摩化す事になるが、まぁそこはみんな大人なのでポジティブな要素しかなかった事にする。

スポンサーリンク

で。

ここからが本題。

我がチームは、数えてみたら、30名の人がいた。子供も5名いる。

先日、その中の1ファミリーが帰ってしまい、当たり前の様に送別会をやったのだが、そこで気付いたのが、

  • 現時点で残りが既に15名(つまり半数帰った)
  • 来年の3月に帰任確定してる人が8名
  • 今年中に帰る予定と言っている人が2名
  • って事は来年の今頃は5名残るかどうか

と言う事。これはさすがに寂しい。

我々が新人芸をやったのが2016年12月なので、この時は2015年9月〜2016年8月に赴任した人が対象だ。

つまり、全員が2018年9月〜2019年8月に3年を迎える事になるのだが、今の時点で半数が帰っていて、来年の8月には5名いない可能性が高い。

これが、先ほど

3年以上いる人の方が恐らく少ない

と述べた所以だ。

かなり新人芸の説明に時間を取ってしまったが、要するに、この『次々と仲間が帰ってしまう事』を『寂しい』と思うくらい、人間関係が深まる、と言う事だ。

当方は聖人ではないので、中には『へー帰るんだ、お疲れ』で終わる人もいるにはいるが、先日帰ったファミリーが結構仲良くさせて貰ってたファミリーだったので、余計にそう感じたんだと思う。

こう書くと、人によっては、

暑苦しい

とか

逆に揉め事が増えそうで鬱陶しい

と感じる人もいるとは思うが、意外とそれは当てはまらないと感じる人が多い様だ。少なくとも、他の都市に比べるとかなり適度な人間関係らしい。

そもそも、誰かを攻撃したりとか、そんな事にエネルギーを使う前に、チェンナイでは自分達がどうサバイブするかの方にエネルギーを使うし、その結果助け合うシーンが増えるので、揉め事はそんなに起きない、と言う事の様だ。(全く起きてないとは言ってない。一応。)

そう言う意味で、冒頭に『人間関係が心地良い』と書いたのだが、伝わるだろうか。伝わらなかったとしたら、それは最早現地に来て貰うしかない。

この3つの特性を併せ持つチェンナイ。

日本を振り返るとどうだろうか。

家族との時間プライスレスは、確実に減る。

某著名シンクタンク、タマノミヤ総研の調査に対し、ほぼ殆どの家庭が

日本に帰ると恐ろしいくらい海外旅行へのハードルが上がる

と回答している。

海外旅行だけが家族との時間ではないが、一つの重要な指標だろう。

次の偉くなった云々については言うまでもない。

日本に帰るとペーペーに逆戻り。コンプライアンスと上下関係に縛られ、バターナイフになる事間違いない。何ならバターになって溶けてしまう。

そして最後の人間関係。

職場やら、小学校の保護者会を思い起こして頂きたい。どの職場にもどの学校にもハードパンチャーがいるのではないだろうか。

色々な見方があるとは思うが、当方目線ではチェンナイでハードパンチャーを見かけた事はあまりない。

なお、当方自身がパンチャーと思われている可能性は否定できないが、そこは漢らしく全く考慮しない事にする。

と言う事で、チェンナイの魅力を存分に書いて来た所で発表。

・・・・

・・・

・・

任期延長希望出してやったぜ、うぇい!

家族がどう思っているかについては検証が必要だが、インド赴任したいヤツなんてあまりいないので、きっと会社からはアクセプトされると信じている。

この延長により、ラグビーワールドカップ2019@日本(9月〜10月)の期間はインドにいる事になる可能性が上がってしまうが、既に漢らしくチケットは購入しているので、その時期は誰が何を言おうと剛直に日本に帰る。

そんなこんなで、チェンナイの魅力をたっぷり伝え、これを読んでいる方が、

うちの会社ってチェンナイ支店あったっけ

と考え出した絶妙なタイミングで本日のエントリを締めさせて頂く。

チェンナイで僕と握手!!

〜今日の教訓〜

4年もいるとさすがに飽きるらしい

そうなると辛いな・・・

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

コメント

  1. ipanema より:

    素敵なホテルもオープンするようですし、きっとたくさん楽しめると思います!
    チェンナイからの記事、これからも楽しみにしております。
    頑張ってください!!

    • tamanomiya より:

      ありがとうございますー!
      素敵なホテルってなんですか!?チェンナイ通ですね!!!!