日本は既に明けましておめでとうございますなのだが、当地はかろうじて12/31で踏ん張っている。従って、当方のこの1年の振り返りエントリもギリギリ許容範囲であろう、と考えている。
この1年を振り返ると、というかここ数年そうなのだが、当方含め我が一族の中心にいるのは常に長女、時々次女、という感じだ。全てが長女と次女の予定を中心に回っており、当方もかなり仕事の調整をして予定を合わせて来たと思う。
そういう意味では、日本で同じ事が出来たのか、微妙なところではある。こちらではHead of Salesなどという大層な肩書きを手に入れ、おもちゃを手に入れた子供よろしく見慣れない権力を振りかざしているが、日本に帰ればいち課長に過ぎず、部長本部長更にその上に頭を押さえつけられていた可能性がある。
それが海外赴任の良いところなのかな、とも思うし、苦労して手に入れたこの環境を簡単に手放すワケにはいかない。
不毛地帯で壱岐正が言っていた、
大きな栄光を得た者が誰しもが妄執する権力の座を捨て、いつ見事に退陣されるかです
このフレーズに出て来る妄執する権力というパワーワードの意味するところがわかる様な気がする。まぁ、そんな大きな権力は得ていないんだけどね。コンフォートゾーンから出たくないよ、的な意味である。今退陣するワケにはいかん。
話を戻すと、常に我が家の中心にいた長女。日本では未だに中3ながら、こちらでは既にハイスクーラーとなっており、フレッシュマンの1年が半分終わった事になる。
ちなみにこちらの4年間の高校生活、9年生から12年生まで全て呼び名が付いてるのはご存知だろうか。
Grade 9:Freshman
Grade 10:Sophomore
Grade 11:Junior
Grade 12:Senior
そふもあ なんて言葉こっちに来るまで聞いた事すらなかった。ジュニア・シニアとか言われると、大学時代のチーム分けを思い出して深い気持ちになる。3年になるまでシニアに上がれず、4年で定着したシニアのポジションに満足し、2本目のまま卒業を迎えてしまったのは今思えば実にぬるい。
また話が飛んだ。
そんなフレッシュマンの長女、我が家からアメリカの高校に通うガールが出るのは当然初めてなので、我が一族にとって全てが初体験なのだ。その初体験の感想は、大きく分けると、
- 勉強が格段にエグくなってビックリ
- 部活もガチンコになって来てビックリ
となるだろうか。せっかくなので詳しく書いてみたい。
最初に女々しく言い訳を書いておくが、これはオハイオのクソ田舎の高校に通う我が家の話なので、決してアメリカスタンダードではないと思う。その点だけはご了承頂ければと思うのだ。
1, 勉強はミドルに比べて明らかにエグい
日本と同じく、キンダー・エレメンタリー・ミドルと階段を登っていくアメリカの子供たち。当方からすると、キンダーとエレメンタリーなんて勉強はほぼしていないと感じる。もちろんずっと遊んでるワケではないが、日本の様にガチンコで勉強しているとはとても思えない。
これは恐らくフィロソフィーの違いなんだろうけど、何を以って学力とするか、みたいな考え方の違いなのかな、と思っていて、日本みたいに漢字や算数を詰め込む事はオハイオのこの地においては一切ない。発想力を育てたり、人前でどう振る舞うか、に重きを置いている様に感じている。
もう一つ決定的に違うのは、こっちの先生は、出来ない子・やらない子をすくい上げる様なアクションをマジで取らない、という事だ。
日本だったら、九九が出来ない子は居残りで先生が見てくれたり、漢字も宿題を課すなり授業中に書けるまで書かせたり、って事をしてくれたりすると思う。それもあって日本の識字率は99%オーバー(さっき調べたら世界では28位らしくそれはそれでビックリ)、って状態なんだろうと理解しているが、こちらの先生はマジで放置プレイだ。
授業に参加しない生徒がいても放置、テストが出来ない子も容赦なくFをつけて放置、なのだ。注意はするけど、数回で諦める、の方が正しいかな?
なので、エレメンタリーの上級くらいになって来ると、
あぁ、こいつもう人生終わったな
みたいな子供がチラホラと出没する。
ミドル以降になるとその傾向は顕著だし、ハイスクールになるとそういうヤツらが銃持って来たりドラッグをカマしたりして来るので、危ないったらありゃしない。
当地では、ミドル以降は、成績によって同じ科目でもクラスが分かれるので、長女は
上のクラスにいないとヤバいヤツらと同じクラスになってしまう・・・
という圧倒的な恐怖感を持って勉強に励んでいる様だ。が、上のクラスにいる為には当然それなりの成績を求められるので、長女は毎日遅くまで課題に追われている。24時前に就寝出来る事はほぼないんじゃないだろうか。
時々その課題にJoinする事があるんだけど、当たり前の様に全部英語だし、そんな単語知らねーよみたいな状況に陥る為、オヤジのプライドをかけて全力で取り組む様にしている。
間違いなく言えるのは、当方の中学生・高校生時代よりも100倍ちゃんと勉強している、これだ。その結果、GPAと呼ばれる成績の指標は常にMaxの4.0に近いものを持って帰って来ている。昨季はバイデンパイセンのサイン入りのプレジデントアワードなるものを持って帰って来たので、我が娘ながらアッパレである。↓
願わくばこのままグレる事なく、これを続けてもらいたい所だ。
ちなみに次女の方は、ESL(English as a Second Language)と呼ばれるノンネイティブ話者の為の特別クラスをしれっと卒業し、今年からネイティブ認定されているのだが、さすがにネイティブと100%互角に渡り合えるワケではなく、国語の授業(要は英語)で男らしく上半期Fを喰らっていた。このまま行くと国語だけ留年の危機なのだ。ガンバレ次女。
2, 部活もなかなか大変そう
以前のエントリでショークワイア(Show Choir)について書いたが、長女は今ショークワイアをやっている。
当地は各クオーターでやる部活が違っていて、同じものを通年やる、という感じではない。例えばQ1はゴルフ、Q2とQ3はバスケットボール、Q4はソフトボール、みたいな選択が可能になっている。
長女はQ1では何を血迷ったかクロスカントリーを選択し、死ぬほど走らされていた。ショークワイアはQ2以降になり、且つオーディションがあるので、10月にオーディションを受けて11月から活動開始、ってな感じだった。
我が街の高校は、ショークワイアは全米の大会に出るくらいのレベルらしく、確かになかなか圧巻のパフォーマンスを見せて来る。
フレッシュマンはフレッシュマンで独立したチームを作り、ソフモア以上が全米に行くチームを構成、という2チーム構成でやっており、当然、フレッシュマンチームと本チャンチームではレベルが違う。レベルは違うけど、フレッシュマンはフレッシュマンでなかなか良い。
年末と年度末には、街中の人を集めて有料でコンサートを行うのだが、確かに本チャンチームは金取っても良いレベルに仕上がっている。その為に、週3回放課後に練習し、週末にも呼び出しがかかるレベルで練習している。
週3なら余裕じゃん、と思うなかれ。GPA3.0を下回ったものは部活に参加出来ない、というそれなりにキツいシバリがあり、先ほど書いた様に全員課題に追われながらやっているので、みんな頑張り屋さんなのは間違いない。人生終わったメンは一人もいないと思われる。
なお、歌って踊るショークワイア、やや女子力優位な競技である気がしていたが、間違いなくそのトレンドはあるんだろう。これはミドルスクールのショークワイア。男子が圧倒的に少ない。
フレッシュマンチームは1学年だけなので、男子8名&女子27名の構成なのだが、3学年いる本チャンチームは男子21名&女子24名の体制でクリスマスコンサートをやっていた。
男子はほぼ全員本チャンチームに入れるんだろうけど、女子は単純計算で3人に1人しか入れない事になるのでかなりの狭き門である。
そんな選ばれし8名のフレッシュマン男子、長女曰く8名中5名がナイスゲイ(自ら公表済)であるらしく、妙に納得感がある。
ってな感じで、結果的に子供達のスクールライフを振り返っただけになってしまったが、彼女たちはそれなりにエンジョイしている様なので、やはりこの生活に妄執したい、と強く感じる。
来年もまた娘ズ中心の生活になるが、仕事の方もしっかり成果を出してクビにならない様にしたい。がんばろう殿下。
〜今日の教訓〜
仕事の振り返りはしない。
未来を向くのみなのだ。