漸くチェンナイへ戻って来た。
日本ではやはり思う通りにブログを書けず、ストレスがかなり溜まったので、本日、巨長(きょなが・クソ長いと言う意味)である。出来れば、移動中の車とか、うんこしながら、とかの『ながら読み』をオヌヌメする。当方は紳士なので、言われなくてもいつもそうだよバカ、と言うご意見は真摯に受け止めたい。紳士だけに。へへへ
と言う事で、先日行われた日本人会の運動会について。
2/10 日曜日 日本は3連休の中日(ちゅうにち、ではない)
朝6時20分に鋭く起床する。ロゴスのフリーザーバッグにお茶やら子供のお菓子やらを入れ、ヒゲ剃りも終えて6時40分には出発していたので、自らの起床後の準備のスピードには自画自賛である。
なお、こちらの2点セットは、日本からの食料品の運搬のみならず、日常生活でもマジで重宝するので、オヌヌメである。
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そして7時前にはアメスクに到着、日本人会傘下の体育委員(運動会とかドッヂボール大会のイベントを仕切る役)として、ライン引き等の作業を開始。
ライン引きと言う、地味に厄介な作業に対して割り当てられた人数は6人。きびきびと行動してしまうと、手持ち無沙汰の人間が出てしまうので、ここはインド式に『無理矢理仕事を作り出し、ダラダラと行う』事で調和を図る。
具体的には、石灰を探す人、石灰の袋を切る人、石灰をラインカーに入れる人、ラインカーを運ぶ人、を全て分ける、等の対応である。まさにインド。
8時過ぎから参加者がワラワラと集まり出し、活況を呈す。やはり、子供達が楽しそうに走り回っているのを見るのは気分が良い。チェンナイと言う街は、日本と違って、自転車で自由にお互いの家を行き来したり路地を追いかけっこしながら走り回る、と言った事が出来ないので、正直、子供達を見ていると不憫に思う事が多い。
8時45分、開会式。領事館の首席領事のお言葉、補習校校長のコメントを聞くが、ぺちゃくちゃおしゃべりしている人もほぼおらず、民度の高さを感じる。やはり、海外赴任して来ている人は、日本のエリートピラミッド的なモノで分類すると上位の人だろうし、少なくとも底辺の人ではないだろうから、当たり前かもしれない。一昔前であれば、インド赴任=島流し的な要素があったかもしれないが、この魅力的なマーケットで今そんな事をしている会社があれば、その会社はダメだろう。
その後、ラジオ体操を経ていよいよ種目開始。
今回は、
- 50m走(児童のみ)
- 綱引き
- オセロゲーム
- 借り物/借り人競争(児童のみ)
- 女だらけの腕相撲大会(女性のみ)
- レクリエーション競争(児童のみ)
- 騎馬戦
- 玉入れ(除く成人男性)
- 小学生全員対抗リレー
- 中学生/大人選抜リレー
と言う内容で、昨年と比べるとオセロゲームが追加となっている。やはり、補習校のオフィシャルイベントと言う要素もあり、子供に寄せている点はあるのだが、良い歳したオッサンにとってはこれくらいの強度がちょうど良いと思われる。
折角なので、1個ずつ競技を振り返りながら、殿下的感想を書いてみたい。
50m走
最初に未就学児が20m走的な事をやる。何故か泣きながら走ってる子もいたりして、非常に微笑ましい。
未就学児が終わるといよいよ小中学生。小学生高学年の男子同士の対決はかなり見ものだ。自分の小学生時代と比べるとみんな速いのかなぁ、等と思いながら見ていた。
4-5人の少人数で走るので、当然、順位は明確に見えて来る。明らかに走るのが苦手な子供もいて、こう言うのが『順位をつけるなんて残酷だ』と言う議論に発展するんだろうが、『自分は走る事に関しては他人より劣っている』と言うその現実から逃げていてはろくな大人にならないと思う。
そこは諦めて他のフィールドでの勝負に集中するか、走る事で負けない為に努力するか、漫然とそのまま日々を送るか、そこを自分で考えさせるのが親の役割なんじゃないだろうか。仲良く手をつないでゴール♡なんて事をやらされていた子供達は、成長した今、当時を振り返ってどう思っているのだろうか。一度聞いてみたい所だ。
綱引き
これは、基本的に大人(中学生は便宜上大人にカウントされるケースがあるので、参加OK)同士で行われる。
一昨年は外から見ていたが、去年・今年はプレーヤーとして参加。見るのもやるのも、かなり楽しい。
日本にいる方からするとかなり意外かもしれないが、オッサンが顔を真っ赤にして天空を見上げながら綱を引いている姿は、実に面白い。
当方が属していた赤組(赤白青黄の4色での対戦になっている)は、初戦を難なく突破、1位も見えた!と思っていたら、ラグビーの元トップリーガーを2人抱える黄組に豪快に蹂躙されて、2位。
白と青が、一応大人扱いの中学生を出場させてみんなで楽しんでいたのに対し、我々の組は大人気なく全員大人で臨んだにも関わらず勝てなかった為、地味にショックであった。
オセロゲーム
導入している小学校もあるらしいが、人生で初めて見た。
敵陣にあるオセロ(色が塗られた段ボールだけど)をひたすらひっくり返し、一方で、敵がひっくり返す自陣のオセロも元に戻して行かなくてはならない、と言うゲームだ。
2本先取で、1本目は成人男性のみ。腰をかがめてオセロをひっくり返す作業をひたすら繰り返すのだが、これは味方同士のコーリングが非常に大事だと感じた。黙ってやってると、地味な作業にひたすら没頭するオッサンが多数続出するだけの、汚らしい絵面になりかねない。
2本目は成人女性も入れた小中学生メンバー、3本目は小中学生のみ、と言う形で行われたが、我がチームは気合いの2連敗で最下位。何がいけなかったのか、今一つわからないが、恐らく誰も事前に攻略方法を調べていなかった事と、アタック・ディフェンス共にエリア分担をしていなかったので、作業が重複した事ではないか、と思われる。
とは言え、どのチームもどっこいどっこいの内容で、頭抜けて強い!と言うチームはなかった様に感じた。もし来年の運動会に継続採用される様ならば、各チーム攻略方法を考えて、より白熱したゲームになる事を祈る。
ちなみに、試合終了のホイッスルが鳴っているにも関わらず平気でひっくり返し続ける人がいたり、一回にひっくり返せるのは一枚、と言うルールを無視して両手で同時に二枚ひっくり返す人がいたり、人間性が出るなぁ、と普通に思った。
借り物/借り人競争
昨年末の忘年会で目立ったキャラクター(ドラえもん等)を筆頭に、変装した大人を借り人と称し、子供達が各々引いた紙に書いてあるキャラクターやモノを探してゴールに向かって走る、と言うものだ。
当方は、運動会前日に『ラグビーの人をやってくれ』と実に雑な指示を受けたので、溢れんばかりの気合で、ヘッドキャップ・マウスピース・ラグビーボール持参で臨んだのだが、事前にもう一度お題の紙をチェックすると、『ラグビー好きな人』と書いてあり、なんかちょっと違うんじゃね?と感じた。
結果的に、マウスピースだけはお蔵入りとして、ヘッキャ装着&ボール片手に借り人エリアに立っていたが、女の子から真っ先に発見して貰えたので、まぁ良かったとしよう。
『奥さんを愛している人』と言うお題に対して、なかなか名乗りをあげる人が出て来なかったのがシュールだった。
女だらけの腕相撲大会
これはかなり盛り上がる。下手したら最も盛り上がるのではないだろうか。
各チーム4名ずつ、16人で優勝を競うもので、僭越ながらマイクパフォーマンスを担当したのだが、16名のうち数名の方のお名前を存じ上げず、だいたいの人は知っていると思っていただけに地味にショックだった。
あっさり決まった試合、白熱した試合、色々あって大いに盛り上がったのだが、優勝は中学生の女の子で、日本に帰ったら出来ればラグビー女子日本代表を目指して貰いたい所だ。
なお、一昨年と昨年は同じ女性(帰国済)が連覇をしていたのだが、彼女が帰国前にこの中学生の子と組んだ時、
これは勝てねぇ・・と思った
と言う逸話が残っており、将来有望としか言い様がない。
女子相手にこう言う事を言うのもアレだが、『素力(すぢから)』と言うのは本当に生まれ持った才能だと思う。
当方は、そこそこの努力をして大学のトップチームに上がったクチだと思っているが、その当方が肩の怪我(両肩の肩鎖関節脱臼したまま放置♡)もあり、ベンチプレス90kgくらいでひぃひぃ言ってた中、俺大学3年生までウェイトトレーニングした事ないけど、みたいなナメた高校日本代表の同期(しかもポジション一緒)がいきなり110kgを挙げるのを見た時は、
土台が違うんだから同じ努力しても絶対勝てねーだろ
と目の前が真っ暗になった事を鮮明に覚えている。
なので、素力を兼ね備えて生まれた人に対しては、純粋に『羨ましい』と思ってしまうのだ。
レクリエーション競走
スタート直後に、仁王立ちする大人とじゃんけん、勝った者は前進し、高さ50cm程のブルーシートの下をかいくぐり、その後はケンケンをしてゴールまで疾走する、と言うもの。ケンケンの距離が20mくらいあって、地味にキツそうだが、子供達は早くゴールしたい一心で、ケンケンではなく普通のダッシュで駆け抜けていて笑えた。
一人、誰かは忘れたが、なかなかじゃんけんに勝てず、結果的にビリになっていたにも関わらず、律儀に最後までケンケンをした子がいて、非常に感心した。
勝負が見えてしまった消化試合にどう臨むか、と言うのは意外と難しくて、子供は見られている恥ずかしさ等も相まって、往々にして『こなし』に入るケースが多いと思うのだが、彼はきっちり最後までケンケンをやり抜いていた。周りから拍手喝采が起きたのは言うまでもない。
騎馬戦
小学校高学年以上の生徒を、オッサン3人が馬になって祭り上げる日本伝統の競技。今回は4チーム×4騎の16騎が入り乱れて帽子を取り合うバトルロイヤル形式だった。
作戦としては、帽子を取られない様に帽子の上から鉢巻を固く結ぶ、等の姑息な内容が考えられるが、我々のチームは、1戦目に漢らしく『無策』で臨んだ所、4騎全滅と言う実に漢らしい結果を招いた。
仕方ないので、2戦目は、敵を撃つより自らが生き残るべし、と言う考え方から
- 敵の帽子を取るなら必ず背後から
- 正面からぶつからず、ひたすら逃げる
- 止むを得ず正面から向かい合う事になってしまったら、先頭の馬が相手を威嚇する
と言う非常に漢らしくない作戦で臨んだ結果、4騎全員が生き残ると言う好成績を残した。
潰し合いは他の勢力に任せておき、消耗を避けつつ漁夫の利を得る、と言うのは戦の基本だ、と子供達が理解してくれた事を祈る。
なお、最初は参加する気のなかったお父さんを、
娘を上に乗せるチャンスなんてこの先の人生でもうないっすよ!
と言いくるめて参加して貰ったのだが、娘を持つ父親としては嬉しくないハズがなく、嬉しそうな姿を見てこちらも嬉しかった。
3年生の我が娘が、騎馬戦に参加出来なかった事が残念だ。我が一族も来年の運動会にはもういないだろうから、娘を上に乗せてやる騎馬戦なんてものはまさに『有り難い』と言うものであり、余計に残念である。
玉入れ
これも伝統的な競技と言えるだろう。子供、並びに成人女性のみでプレーしていたが、この競技でいつも見どころなのは、カゴを支えるオジサンである。
下を向いて、浴びせられる球の攻撃をじっと耐え忍ぶその姿勢は、まさに注目に値する。
球が何回当たったか、を数えていたら、僅か30秒の間に40回以上当たっていた。ひどい時なんか、同じタイミングで4球くらい直撃しており、途中からカウントするのを止めたくらいだ。
また、時々、ストレートを放る子がいる事もなかなか興味深く、その球が誰に当たったかを見るのも楽しみなポイントだったりする。
後は、カゴのてっぺんにGoProを付けて撮影したら面白いんだろうなぁ、と思った。みんな上向いてるし、良い絵が撮れるんじゃないだろうか。
小学生全員対抗リレー・中学生/大人選抜リレー
リレーはやっぱり最後を飾る素晴らしい競技だろう。
普段全く運動をしない大人が、肉離れを気にしながら必死こいて走る姿には、何故か心を揺さぶられ、非常に盛り上がる。このレベルでこれだけ盛り上がるんだから、東京オリンピックで目の前でリレーを見た日にはどうなってしまうんだろうか。
恐らく、参加した全ての人が、
昔はもっと走れたんだけどな…
と思いながら走っていた事だろう。それは当方だって言いたいが、落ちぶれてしまったものは仕方ないので、昔みたいに走れる様に努力するか、そのまま落ちぶれるかを自分で決めるしかない。先程の子供の話と同じロジックだ。
なお、我が赤組は、そこそこの序盤でどう見ても1着が無理なポジションに豪快に後退して行った為、他の組も含めて色々見ていたのだが、先日紹介した超高級素材がなかなかの追い上げを見せていた。惜しくも逆転は出来なかったが、彼が全力疾走するのを見るのはウン年ぶりなので、非常に嬉しかった。
赤組圧倒的な敗北
そんなこんなで全種目が終わり、結果発表。
他の組が揃って600点台を叩き出す中で、我が赤組は漢らしく500点台でフィニッシュ。だが、一番楽しんだのは我々だ、と思っているので、点数は関係ないのだ。
『たかが』と付けると語弊があるが、大人も子供も混じっていて、練習期間もない当日一発勝負の運動会。楽しく、怪我なくやれればそれで良いじゃないか、とか思ってしまうんだが、恐らく『やるなら真剣にやろうぜ』みたいな考え方の人もいるだろうし、そう言った人から見ると当方の様な輩は不真面目に映るだろうから、その辺のバランスは難しい。
全員が楽しんでくれる事がゴールだが、特に利害関係が発生しないハズの運動会でも、そのゴールを達成する事はなかなか難しいんだなぁ、と感じた。
あともう1つ言えるとしたら、色々と不手際があったかもしれないが、運動会の準備も地味に色々と大変で、体育委員ってのは会社の通常業務の傍らで手弁当でその対応をしてるので、多少の事には目をつぶってあげてね♡と言う所だろうか。(勿論、来年の改善に向けた建設的な指摘はシッカリと受け止めなくてはならない)
来年は誰が体育委員をやるのか知らないが、より良い運動会になる事を祈っている。
あと、これからチェンナイに来る人、或いは既に来てるけど運動会に参加していない人も、是非運動会に参加して盛り上げてくれれば、と思う。
〜今日の教訓〜
昔はもっと速かった。
だって、あだ名ゴギブリだぜ?