チェンナイには、秋平と言うラーメン屋がある。
日産で働いていて、チェンナイ駐在の経験もある秋元さんと言うオジサンが、
インドはブルーオーシャンだ、やるなら今しかない
と漢らしい決断をして、脱サラして2015年に始めたラーメン屋である。
その一見無謀にも見えるチャレンジは、NHKで取り上げられたり、日経ビジネスか何かでも取り上げられたりしていて、注目度は高かった。
が。
どうも最近は状況が芳しくない様だ。
とりあえず、話を整理する為に、改めて基本情報から書いて行く。
秋平は気合いの2店舗体制
フェニックスモール近くの通称『1号店』と、2店舗目となる『サントメ店』の2店舗体制を敷いている。
1号店は、その名の通り、秋平最初の店舗だったのだが、今では軸足をインド人ターゲットに置いている様だ。正直、立地もイマイチな部分はある。(ゴメン)
一方、サントメ店は、チェンナイの多摩川ことAdyar川より北側、つまり東京23区側のシティサイドにあり、立地もなかなか、と言う事もあって、相対的には稼ぎ頭となっている様だ。
1号店がこちら。
サントメ店がこちら。
日本人が5人も関わっている
オーナーの秋元さん以外に、料理長のヒロシ氏、マネージャーをやっている能條ジョー君、それとインターンとして遊びに働きに来てくれている大学生のゆりちゃんとナオト君。合計5名もの日本人が店舗運営に関わっているのだ。
彼らが飲食業、或いは接客業のプロなのかどうか、は知らないが、少なくともインド人オンリーのオペレーションよりは対応は優れている、と信じている。
なお、このジョー君、面白い経歴の持ち主で、放送作家をやっていたり、教員免許を持っていたりして、昨年の補習校の先生が足りない事件の際には、代打で先生をやってくれ、しかも圧倒的な運営スキルを披露。うちの娘からも絶大な支持を得ていた。
が、一家で秋平に行くと、毎回このジョー君がいない。
長女;あれ〜ジョーがいない〜
マダム;ジョー先生でしょ!
長女;え〜もう先生じゃないからジョーだもん
マダム;でもジョー先生でしょ!
長女;え〜
的な、冗談みたいな会話が繰り広げられている。
閑話休題。話を戻そう。
問題は、この秋平が、どう見ても経営大丈夫?と言う状態に陥っている様にしか見えない点だ。
きっかけはジョー君のツイート
はあちゅうをフォローした事は書いたが、当方、ツイッターではジョー君もフォローしている。
そのジョー君が、こんな不吉なツイートをしていた。
お?マジか?
へ〜そうなんだ、俺が行く時、ちょいちょい客入ってた気がするんだけどな・・・と思い、とりあえず今日デリーから帰って来たと同時に早速行ってみた。
そしたら。
誰もおらん。マジか。営業中のフラッグが悲しい。
聞くと、
今日のお客さんはお昼に一人、夜はタマさんだけですぅ
との事。ウソだと言ってくれ。
何故客が来ないのか
これは完全に当方の推測ではあるが、
- 『チェンナイ初のラーメン屋』と言う物珍しさがなくなり、人々の中での認識がone of 日本食屋になった
- 他にもある日本食屋、或いは他レストランに客が流れている
- チェンナイの日本人が、『ラーメン屋』と言うバイアスをかけている(ホントは他のメニューもたくさんあるのに)
と言った所か。
そもそも、
日本食屋を出して採算が確保出来るのは3,000人以上の日本人人口が必要
と言うのが定説としてある中、わずか700人程度のチェンナイで店をオープンしたのが無謀、って考え方もあるのかもしれない。
だが、この秋平や、その他の日本食屋がある事で、我々駐在員、並びにその家族の食生活がどれだけ彩られたか。
競争原理から考えると、『経営が厳しそうだから』だけの理由でどこか特定の店を贔屓にするのはそれに反するのかもしれない。
また、人はすぐに環境に順応してしまう生物なのでついつい忘れてしまいがちなのだが、
この環境で進出して来てくれている事自体にはもっと感謝の念を持っておきたい
と思っている。
逆に、もしなくなったら、と言う事に考えが至ると、
いや、さすがにそれは困るよね
になる人が多いのではないか。そんな事ない?
顔が見える経営ってなんか安心
某著名シンクタンク・タマノミヤ総研の調べによると、チェンナイの日本食屋、と言えば、
富士・北海道・くふ楽
が3大巨頭とされている。
くふ楽に日本人の人がいる事は知っているが、タマノミヤ総研の本社からあまりに遠い事もあり、全く交流がない。名前すら知らない。(ごめん)
富士と北海道に至っては、日本人がいるのかどうかすら知らない。富士はともかく、北海道にはいない、と言う認識だ。
一方でこの秋平。
先ほど実名を全世界に晒してしまった5名が、それぞれチェンナイの日本人社会に溶け込んで生きている印象を受けている。
秋元さんはラグビーやら自転車やらマラソンやら麻雀やら、色々なサークルに顔を出している。
ゆりちゃんもラグビーに遊びに来てくれている。
ナオト君はバスケらしい。料理長は・・・ごめん、知らない。料理長調子どうyeah
言ってみれば、村の飲み屋の従業員達、と言う感じの距離感だ。
と考えると、必然的に、
村人よ、もっと飲み屋に行ってやろうよ
と言う考え方も出来る。
馴れ合いも良くない(秋平自身が努力を怠ってはならないと言う意味において)けど、最近みんなちょっと冷たくないかい?と思ってしまうのだ。
ここからはメニューを一気にご紹介
日本人料理長がいるので、ラーメン以外の日本的な食べ物も実は充実している。意外と知らない日本人の方もいるのではないか。
手抜き感満載だが、一気にメニューを載せていく。刮目せよ!
なげー!写真撮るのも一苦労だわ。
弁当もやっているらしい(宅配はやってない)ので参考までに。
あと、期間限定(たぶん)でこんなのも提供している様だ。
とは言え、本日は一人だったし、原価率の低そうな揚げじゃがと、パイタンタンメンと言う白い担々麺を食べた。
こちらが揚げじゃがで、
こちらがパイタンタンメン。
パイタンタンメン、普通に美味いよ。汁をほぼ完飲してしまったので、大至急痩せなければならない。
チキン高騰中につき絶賛値上げ中
最後に一応ネガティブなお知らせ。
どうやら、チキンが値上がりしているらしく、チキンを使ったメニューは50INR値上げしている様だ。参考まで。
あと、関係ないけど、一つ注意が必要なのが、餃子。
餃子って、意外と生焼けによる食中毒リスクが高い食べ物だ。
海外歴が長い人でも、
餃子だけはどこに行っても食べないんですよ
と言う人がいる。
秋平サイドにも、細心の注意を払った調理をお願いしたい所だ。
と言う事で。
在チェンナイの日本人の皆さん。
それから、出張でチェンナイに来られる皆さん。
是非秋平に行きましょう。
そして忌憚の無い意見をこの5人にバシバシ伝え、双方向のコミュニケーションで共にもっともっとチェンナイを盛り上げて行きましょう。
〜今日の教訓〜
今日もインド人従業員に教育的指導与えといた。
畳の所から床に裸足で降りてコーラ取りに行って、そのまま裸足で畳に戻って来たから、おいコラ何しとんねん、と。清潔感ってホント大事だよね、特にマダムに対しては。
流行を作り出すのは、オッサンじゃなくてマダムと子供。