先日、日本人会のドッヂボール大会と言う、字面だけ見るとなかなかシュールなイベントが行われた。
それに関するお話。無理矢理ラグビーを絡めて書いてみる。
ドッヂボール大会マジで盛り上がるから
日本国内に住んでいる人からすれば、は?大人になってドッヂボール?ってかドッジボール?ブリジストンじゃなくてブリヂストンだから、同じDGEって事から考えるとドッヂボールになるのか?どっぢでも良いか、みたいな感想になると思う。
ところがどっこい、これがマジで盛り上がるのだ。
良い歳した大人が声を枯らしながらガチでドッヂボールに臨む様は非常に暑苦しく、見ていてとても楽しい。
そのドッヂボール大会で、当方のいるチームは見事優勝、当方もキャッチング能力の高さを見せつけたったのだが、これは100%ラグビーによるものだと断言出来る。
ドッヂボールのキャッチングが上手になるからラグビーやろう!なんて思う子供は、人類の中で数人規模しかいないと思われるが、せっかくなので今日はそのラグビーが如何に面白いスポーツなのか、書いてみたいと思う。
そもそもラグビーとか大っ嫌い!みたいな人には申し訳ないコンテンツなのだ。
ラグビーの良さを書いてみるよ!
ざっとキーワード的に並べると、以下の様な感じになるだろうか。
自分で考える力がつく
コミュニケーション能力が上がる
闘争心が植え付けられる
ノーサイドの精神が身につく
人脈が広がる
飲み会スキルが上がる
これだけ見ればすごいじゃん、って話なのだが、かなりの部分でダウトを持つ人が多いと思うので、一個ずつ解説していく。
自分で考える力がつく
ラグビーは、サッカーや野球と違い、監督はグラウンドにいない。
選手がグラウンドに出て来た瞬間、監督はスタンドにいて、戦略的入替(選手交代)の指示しか出さない。
それ以外のインプレーの判断は全て選手に任せられる事になる。
当然、ある程度のチームとしての戦術・戦い方はあるが、一つ一つのプレーはその場で判断するのだ。
例えば、ボールが自分の所に来たら、ヒットするのかパスするのかキックするのか、或いは抜きに行くのか、全てが1秒以内に自分で判断しなければならなくなる。
ボールを持っていない時も同じで、自分は密集に突っ込むのか、次のプレーに備えてポジショニングを取りに行くのか、その場合はどこに立つと最も効果的なのか、等の判断が必要になる。
とは言え、全てのプレーが瞬間瞬間の判断ではないので、当然、事前に先読みする能力も求められる。
が、先読みした通りに行かない事もあり、その場合はホントに1秒以内での瞬時の判断が必要になる為、かなり判断力と考える力がつくと言える。
これって、現代のスピード社会においてはかなりのアドバンテージになるんじゃないだろうか。
経営判断みたいなのを普段からしてる訳ではないものの、一つ一つの仕事の中では、細かい判断が常に求められる訳で、それが瞬間的に出来るヤツは早く仕事が回るし、そうじゃないヤツはどんどん埋もれて行く、そう言うモンだと思っている。
コミュニケーション能力が上がる
ラグビーは15人対15人のチームスポーツである。
ほぼFWだけしかワークしない、敵陣ゴール前のラインアウトモールを除いて、基本的には15人全員が常にプレーに参加しており、逆にそうじゃないチームは当然弱い。
全員が参加している、って言ったって、全員が一つのボールに群がっている訳ではなく、ボールから離れたプレーヤーであっても、外からしか見えない状況(何人オーバーラップしてるとか誰のポジショニングが悪いとか)を常にインフォームし続けたり、次のプレーについて横のプレーヤーと話し合っている、と言う意味だ。
ボールに近いプレーヤーだって、例えばディフェンスの時、自分が相手の誰を見ているかとか、次のフェーズでは鋭く出るのかとか、そう言った話を常に周りのプレーヤーとし続けている。
ちなみにそこには先輩後輩はなく、基本的には呼び捨て&タメ口が横行しているので、後輩からすれば先輩を呼び捨てにする千載一遇のチャンスなのだが、とにかくコミュニケーションを取り続けている。
と言うか、そうしないとアタックもディフェンスも崩壊してしまうスポーツなのだ。
お互いがこんなにしゃべってるスポーツって、ラグビーとサッカー以外に他にあるんだろうか、とリアルに思う。
どの時代も、コミュニケーションの取れない若者が増えて・・・とか言う歴史が繰り返されている中で、ラグビー経験者は安定してがっつりとコミュニケーションを取れている、と言う、某著名シンクタンク・タマノミヤ総研のデータもある。
闘争心が植え付けられる
ラグビーはご存知の通り、コンタクトスポーツである。
彼我の実力差が如実に現れる、ある意味残酷なスポーツとも言える。
弱いプレーヤーは、強いプレーヤーに弾き飛ばされる事になるが、それでも立ち向かって行く事が求められる。
なぜなら、そいつが逃げたら、他の14人に負担がかかるから。
逆に、体の小さなプレーヤーが体の大きなプレーヤーに立ち向かって行く姿は神々しささえ感じるし、チームに勢いを与えるのも事実だ。
従って、仮に相手が自分より大きかろうが、そんな事は関係なく、とにかく倒しに行く姿勢が身につく。
これは柔道とかも含め、どのコンタクトスポーツでも同じ事だと思う。
ちなみに、たまに普通に逃げるヤツがいるが、そう言うヤツはチームメイトからも信頼されないし、大体が社会に出ても信頼されないケースが多い。
ラグビーですらチームの為に体を張れないヤツは、会社の仲間の為にも体は張れないのだ。
ノーサイドの精神が身につく
ラグビーは、試合終了と共に、レフリーが『ノーサイド』と言う。
ゲームセット、でも、試合終了、でもなく、ノーサイド。
これはラグビーだけの特殊な考え方だと思うが、試合が終わればサイドなし。敵味方なしよ、と言う事だ。
数秒前まで、どれだけ激しいコンタクトをしていても、ノーサイドの笛と同時にチームの垣根を超えて仲間になる、これは本当に素晴らしい文化だと思う。
これは観客席にも現れていて、ラグビーでは観客も敵味方入り乱れている。
こっちのチームを応援している人の隣には、あっちのチームを応援している人がいて、相手の良いプレーには素直に拍手もするし、試合が終われば観客同士で、あのプレーが良かった、とかそう言う事を仲良く話し合うのだ。
テニスは似た感じだと思うが、団体スポーツではないのがもったいない。
他の団体スポーツでもこの環境がどんどん拡がれば良いのに、と思う。
人脈が広がる
ここからは、やや付随的な要素になって行くが、ラグビーをやってる人って、なんか良くわかんないんだけど、同じくラグビーをやっている人を見つけると、その瞬間に一気に人間関係のハードルが下がる。
あれ?昔から知り合いでしたっけ?ってレベルで打ち解ける事が出来る、ある意味謎な人種なのだ。
これはちょっと理由が良くわからないんだけど、ほぼ確実に起きている。
他のチームの試合に助っ人とかで行くと、そのまま打ち上げに連れて行かれ、一度会ったら友達で〜 みたいな状態に陥るのだ。
飲み会スキルが上がる
ラグビーやってる人って、お酒が好きな人が多い。これもなんでか知らないけど。
その結果、飲み会の数は当然増えるし、合コンの数だって増える。
そうなった時に、サムいヤツはどんどん淘汰されてしまうので、生き残りをかける為に飲み会スキルは非常に高くなる。
このロジックは何となくご理解頂けるかと思う。
ちなみに、飲み会スキルではなく、酒スキルと言う意味では、当方は酒が元々全然飲めず、大学一年の時は、ビールコップ一杯(ジョッキではない)で死亡出来る幸せな人間だった。
ところが、数々の酒席をこなし、泥酔してラーメンに顔をつけたまま寝てラーメンで溺れたりしている内にちょっとずつ耐性が出来て来たのか、今日は絶対潰れない、と決めた勝負の日はかなりの戦闘力を保てるまでになった。
めでたしめでたし。
と言う事で、長々とラグビーの魅力を書いて、読者諸賢全員がラグビー部への入部届けを書き始めただろう頃を見計らい、一応ネガティブな事についても書いておく。
まず、ラグビーをやっていた、と言うだけで『体力あるよね!』と言う扱いを100%受ける事。
以前も触れた気がするが、強度の高い練習に耐える体力と、仕事を寝ないで続ける体力は根本的に全く別物だ。
子供の頃は病弱だった当方からすれば、はっきり言って自分は体力ないと思っているし、実際ちょっと睡眠不足が続くだけで、あっさり体調を崩す。
頼むから体力あるね扱いしないで欲しいのだ。
あと、やっぱり怪我は多い。マジで多い。
当方は中1からラグビーを始めたのだが、約20年間の競技歴の中で、
右腕骨折
左腕骨折
手の指何回か骨折
右肩鎖関節脱臼
左肩鎖関節脱臼
前歯の一個横の歯欠損
右膝後十字靭帯断裂
顔面2箇所縫合手術(10針以上、但し整形ではない)
首の椎間板ヘルニアの手術
これだけの怪我をしている。
捻挫とかモモカン(地味に痛い)なんて、怪我カウントして貰えないのだ。
モモカンって、言って見れば一種の肉離れなんだけど、思い出すのは、4年生の時の5月の同志社戦で後半から入って、最初のワンプレーでいきなりモモカンを食らってクソ痛かったのに、交替させて貰えず30分くらいプレーをし続けたら、結果8月まで復帰出来なかった事がある。
それくらいエグいのに、怪我カウントして貰えないなんて!とこれまた理不尽な話なのだ。
えーやっぱりラグビーって危険なんじゃん、そんなスポーツ子供にやらせられないよ!と思う人が殆どだろうけど、当方から見れば、果たしてそうなんだろうか?と思うのだ。
サッカーなんて、あれだけ足を削られるのを見てると、足首の重要性を理解してる身からすると超怖い。
野球にしても、赤星だって怪我で引退したし、岩村だって膝の前十字靭帯断裂じゃん、って話もある。
結論、どのスポーツだって怪我のリスクは当然ある。まぁ、ラグビーはその割合が他よりも多いってのは事実だろうけどね。
重要なのは、怪我をしない様な体作りと、基本に忠実なプレーを如何に身に付けるか、だ。
基本が出来ないヤツは、如何に能力があっても絶対に大成しない、と言うのは100%断言出来る。
なので、お子さんが仮にラグビーに興味を持ったとしても、親御さんとしては、是非安心して、但し基本はしっかりと押さえる事を前提にプレーさせてあげて欲しいのだ。
なお、怪我の話に戻るが、当方、10年以上経って未だに引きずっている怪我がある。
それは右足の足首なのだが、冬になると疼くし、一旦疼き始めると、何も手に付かなくなるレベルで不快感Maxになってしまうのだ。
これだからラグビーは、、と言う話ではないのがミソ。
社会人2年目の頃。
泥酔して帰宅した所、両親が出掛けていた為当然玄関の鍵はかかっていたのだが、鍵を飲み屋で落として来てしまったらしく、家に入れなかった。
我が家の両親(特におかん)は意外とザルな所があり、2階にある当方の部屋の窓の鍵が開きっぱなしの事が昔から結構あった。
なので、脚立を使って2階によじ登る、と言うプレーを良くやっていたのだが、泥酔していた為脚立の存在に気付かず、ガレージをよじ登って自分の部屋に到達。
ところが鍵はかかっており、ガレージまで戻るのも面倒で、そこから飛び降りた。
壮絶に転げたのは覚えているものの、その時は特に痛みは感じず、結局28時くらいにも関わらず、親が鍵を預けていた隣の家の親父を叩き起こし、鍵を貰って家に入ったのだが、翌朝起きると右足首が超痛い。
普段は5分で着くバス停までの道のりが、翌日は30分くらいかかったレベルで、それを放置していたら10年以上経っても治らないのだ。
しょうもない。
ここまで読んで頂いたら、危険なのはラグビーではなく、日常生活なのだ、と言う事をご理解頂けたかと思う。
そこで登場するのがチェンナイの話。
チェンナイは、インド全土の中でも最も交通事故が多い街。
つまり、家の外には危険がいっぱい。交通事故の点においては、世界一危険と言っても良い。
なので、予期せぬ事故には当然備えておくべきで、その為には常日頃から体を鍛え、ちょっとやそっとの衝撃ではビクともしない様、ラグビーを経験しておこう!と言うお話である。
〜今日の教訓〜
スポーツに打ち込ませる事は何よりも重要。
勉強ばっかしててどうすんねん。東大出てても使えないヤツは使えんぜよ。