日本では誰も何の違和感もなく使用しているこの『さん』と言う敬称。
インドでも多くの日系企業の人が使っているのではないだろうか。
ただ、インド人の中には、なんで『さん』をつけるのかがきちんと理解出来てない人がいる。
『周りが使っているから何となく』と言う、現状に疑問を持たないパターンのヤツもいるだろう。
Sanが敬称なのか名前なのかってトコから入る
以前、デリーの工場の人事担当に、
ここのホテル初めて泊まるから、費用とかそっちでネゴって予約取っとけ!
みたいに居丈高に命じておいて、当日チェックインしようとした時の事。
レセプションのお姉ちゃんが、
『あなたの名前が間違ってます、サー』
と言って来る。
何を言ってるんだい君は、俺はタマノミヤと言うんだよ、と回答。(してない)
そしたらモジモジしながら、『いや、でも、、』みたいに言って予約票を見せて来た。
すると。
Last nameがSanになっているではないか。
San Tamanomiya。サン珠宮。
まるで売れない芸人の様だ。
おいおい、これはね間違いなんだよ、Sanと言うのはJapaneseで言う所のMrでね、、と懇切丁寧に説明してやっとチェックイン出来たのである。
これ、要はデリーの人事担当がホントに当方の名前をSanだと思ってたのか、或いはホテルにLast nameを聞かれて、面倒だからSanって答えたかどっちかって事。
どっちでも良いし、確かめるのもアホらしいので聞いてないけど、Sanの意味を理解していないのは間違いない。
やっぱり意味がわかってない使い方が多すぎる
他のおかしな利用例では、自分の名前を言う時にSanをつけて来るインド人もいる。
ドライバーで、自分の事をムティさんムティさん、と言ってる輩がいて、直すのも面倒だから放置している。
また、BCCで一斉配信するメールで、『Dear all』って書けば良いのに、『Dear San』と書いてる輩もいる。
これは主にお客さん側で多発しているので、誰か注意してやれよ、と毎回思いながら見ている。
インドでSanなんか使わなくて良くね と思いつつ
当方、本格的に外国人と仕事で関わる様になったのは、違う仕事をしていた時で、その時の相手がシリコンバレー(!)の連中だったので、当然ながらSanなんか使わない。
メールだって、Hi Gabe、とかHi Kenny、的に始まる感じだし、改まったメールを書く時も、Dear Mr.○○ だったので、どうもこのSanには慣れなかった。
インドに来てみると、みんな当然の様にSanを使っていたので、
いいかい?ここはインドなんだ、君の会社は日系企業だけど、インドの会社なんだ、だから全部が全部日本を真似る必要はないんだよ、Sanを使わずにフランクに行こうよ!
みたいなノリで最初接してみたものの、当方の英語がクソすぎたのか、華麗にスルーされたので、あっさりSanを使う様にした。
ぬるい。
ただ、最近はやっぱりいちいち部下とかにSanをつけるのはかったるいので、メールではSanを使うが、呼ぶ時は思いっきりSanなしで呼びつけている。
Sanが敬称だ、と信じているインド人がいたら、何このおっさん今日怒ってんの?とか思ってるかもしれない。
SanでさえわかってないのにSamaとかぶっ込まれたら完全コンフュ
そんな中、先日はるばる日本から来たお客さんが、帰国後にご丁寧に議事録をインド人も含めて全員発信してくれた。
そのメールの書き出し。
Dear Tamanomiya san、と書いてくれれば良い所を、Dear Tamanomiya samaと書いて来たモンだから、インド人は完全パニック状態なのである。
恐る恐る
『Samaってなんですか、サー』
と聞いて来るので、
『これはGreater than Sanだ!』
とワケのわからない説明をしておいた。
それ以降、Tamanomiya sanではなく、Tamanomiya samaで呼んで来る部下がいるかな、と期待していたが、当方の人望がなさすぎるのか、逆に親しみやすすぎるのか、何も状況に変化はない。
インドに来て一年なので、帰る頃までには、『Tamanomiya san』ではなく『Excuse me Boss』と言って部屋に入って来させようと思う。
なお、インドは関係ないが、昔、むかつく上司を小馬鹿にするテクニック、とか言って、このSanの部分を伸ばして言う、ってのを良くやっていた。
安倍さーー(ん) と言った感じで語尾を徐々に消して行けば、音的には安倍さぁ、と呼び捨てしている感じになるのだ。
くだらないが、若かった当方はこれで鬱憤を晴らしていた。と言う小話。
~今日の教訓~
Kumarasan(クマラサン)と言うヤツを呼ぶ時にSanを付けると、ワケわからなくなる。
くまらさんさん!お日さまさんさん!!
コメント
Tamanomiya kun,
今回は久しぶりに面白い投稿だね!
恐悦至極でございます。