鬼ごっこは大人になっても非常に楽しい件

先日、グルガオンのリージェンシーのレストランで、子供たちが走り回っていた。

心の広い当方は、表情はニコニコしながら、

てめぇ走ってんじゃねぇよ邪魔なんだよクソが

と吐き捨ててその場を去ったのだが、公共の場で行う鬼ごっこと言うのは子供がやっても不快に感じる人は多いと思う。

にも関わらず、それを大人がやったらどうなるか?考えた事はあるだろうか。

考えた事もないだろう。何故なら考えるまでもないから。そして実践する馬鹿野郎もなかなかいないだろう。

当方、恥ずかしながらラグビーと言うスポーツをしている。

ラグビーには、こんな格言がある。

ラグビーは少年をいち早く大人にし、大人にいつまでも少年の心を抱かせる

これはまさにその通りだと思う。

球技の中で最もフィールドに立っている人数が多いのがラグビー。

15人の中で、各人各人がそれぞれの役割を果たし、チームの共通目標に向かって協力し合う。

それが少年に、責任や役割、自立、規律と言った要素を学ばせるのである。

そして大人になっても、いつまでも少年の頃の様に楕円球を追いかける無邪気な心を持たせてくれる。

そんなスポーツなのだ。

従って当方は大人になっても少年の心を持ち続けており、そんな当方は、永遠の問いとも言えるこの難題、『大人が鬼ごっこをやったらどうなるか』に過去何回かトライした事があるので、その話でも書いてみようかと思う。

なお、世間一般においては、この事象を中二病、或いはピーターパン症候群と呼んでいる様だが、それとは一線を画すものだと理解している。

そしてインドの話は最初の2センテンスで終了したので、インドの話にしか興味がないよ、と言う御仁は鋭く離脱する事をオヌヌメする。

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1, 東横線鬼ごっこ

確か大学4年の時だったと思う。

忘年会の後、東横線全線を使って10人弱で鬼ごっこをやった。

当時はみなとみらい線にも副都心線にも乗り入れていなかったので、渋谷と桜木町が終点。その間で鬼に捕まらない様に逃げ惑う。

但し、走るのは迷惑だよね、くらいの常識は幸運にも備わっていたので、全て歩きだし、至近距離で見つかったら鬼交替と言う事にした。

他、設定されたルールは、

鬼がかけた電話は必ず出なければならない

ホームの階段は使ってはいけない

と言うもの。

鬼に居場所を聞かれたら、どの駅の何番ホームにいるか、或いはどこ行きの電車の何両目にいるか等、全て言わなければならない。

そして階段を使ってはならないので、進行方向を変える時は学芸大学等の階段がない駅か、渋谷・桜木町を使うしかないのだ。

まず全員で今はない渋谷駅の東横線ホームに集合。

鬼は5分間何もせず改札の所で待機し、その間に各自が思い思いの電車に乗り、ある者は途中下車し、ある者は電車に乗り続けて桜木町まで行く、と言った塩梅だ。

こうやって書くと、鬼の交替なんかほぼ起きないのでは?と感じるが、実際は結構起きた。

3時間程の間に4〜5回は恐らく交替しただろう。

当時の罰ゲームは忘れたが、その後お台場に行ったのは覚えているので、恐らくメシをおごるとかその程度だったと思う。

結論としてはマジ面白かった。

いつかまたやってみたいと思いつつ歳を重ねてしまったので、じじぃになる前にもう一回チャレンジしてみたい所だ。

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2, サザンテラス鬼ごっこ

この時も忘年会の後なので、クリスマスシーズンのサザンテラス、つまりカップルだらけの環境で鬼ごっこを敢行した。

店に入ってはいけない、且つ人に当たらない様に移動時は走らない、と言うシンプルなルールだった。

ついでに携帯も使ってはいけない事にした。

ポイントは、

如何に通行人に紛れて自然に振る舞うか、が非常に難しい

ハート型のオブジェ(写真スポット)にカップルにまぎれて並んでいると鬼から発見されにくい

鬼からは発見されにくいけど野郎一人で並んでるその存在感が圧倒的過ぎて周りから引かれる

うわっ!とか言っていきなり走り出すと、つられて何人か一般人が一緒に走り出す

だった。

この時も当方は一回も鬼は食らわず、リミットの23時半で鬼だったヤツが高尾行きの中央線に叩き込まれ、高尾の笑笑だか和民だかの飲み屋で夜を過ごしたらしい。

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3, ミッドタウン→渋谷ラブホ街鬼ごっこ

サザンテラスが思いの外面白かった事、罰ゲームをエスカレートさせて、高尾よりも遠くにかっ飛ばしたかった事もあって、翌年も年末に鬼ごっこを実施。

なんでこんな事考えたのか、今となっては謎だが、新ルールとして『アイテム持参』を追加した。

鬼撃退用

  • カラーバット
  • クラッカー
  • ピンポン球

ハンデ用

  • サンダル
  • アンクルウェイト2.5kg×2個

じゃんけんで勝った順にアイテムを選択して行き、鬼ごっこを開始。

鬼に捕まる度に鬼とじゃんけんをし、勝った方がアイテム選択をする、と言う押しつけ可能なルールだったのだが、カラーバットを持ってミッドタウンを歩いているごついオッサンは完全に職務質問対象となり、開始10分であっさり中止。仕方なく渋谷のラブホ街に場所を移した。

通り沿いにラブホが一軒でもあれば、その通りは通行可能、逆にそうでないエリアは立ち入り禁止、と言う事で、結構なエリアになる一方、行き止まりが多数あるので、逃げる方の難易度がかなり上がった。

あのレベルのカオスな街になると、走っている輩がいても違和感はなく、20分限定でほぼフルスピードで走りながら鬼ごっこをした結果、日本代表にも選ばれた太ったオッサンが負け。

なおこの太ったオッサンは、鬼ごっこを始める前の飲み会でも、

今日8人かよ〜少ないから負ける確率高いよ〜

とか

今日みんなバックスじゃん、みんな足速いからやだよ〜

などとネガティブな発言を繰り返しており、メンタルが如何にゲームに影響を与えるか、を再認識する事が出来た。こんなもの、負けるはずない、と思ってる方が勝つのだ。

当初の目的通り、エグい罰ゲームを食らわせよう、と息巻いたが、一応、この日の飲み代(約4万円)を全額負担すると言う選択肢も用意しておいた。

どっちを選ぶか?皆が注目する中、この太ったオッサンはさすが日本代表、『金で解決する様な男らしく無い事はしない、俺は行く』と言う回答をしたので、満を持して新宿駅に移動し、高速バスを探す事に。

ところが、年末と言う事もあり、西口のチケットは全て売り切れ、JRの秘密兵器『ムーンライト信州白馬行き』も売り切れ。

最後の頼みの綱として新南口のチケット売り場に行くが、やはり全て売り切れていた。

已む無く一番少ないキャンセル待ちと言う事で、23時59分発の福井行きを3番目で待つ事にして、待つ事40分。

帰省ラッシュの影響で、出発時間が大幅に遅れた福井行きは24時20分頃になってロータリーに姿を現した。

チケットを持っている乗客が全員乗り終わった所でキャンセル待ちが採用されるらしく、その直前の大阪行きでは5人もキャンセルが出た為、期待を持って発表を待っていた。

すると奇跡的にちょうど3人のキャンセルが出たとの事。

深夜のバス待ちで、疲れた顔をしている人が多い待合所で、圧倒的な大声で喜ぶ我々。

何と言う僥倖。これも日頃の行いの表れと言える。

太ったオッサンはこうして福井行きのバスへ乗車。

遂に『高速バスでかっ飛ばす』と言う罰ゲームを達成し、満足感に浸る残りの7人に見送られ、福井まで輸送される事になったのだ。

なお、体のでかいこのオッサンは、隣の人に気を遣って身を縮めていたら車内で全く寝られなかったらしく、ひたすら7名の携帯にメールを送ったり無言電話をかけて来たりして妨害行為を繰り広げる事になるのだが、それはまた別の話。

翌日、名古屋経由でまる一日を潰して帰京する事になったので、かなりエグい罰ゲームだったと言える。


こんな感じでずっと続いて行くかと思っていた鬼ごっこだったが、2009年を最後に中止。

2010年は、そもそも忘年会に5人しか集まらず、しょうがないからショートコースでも行くか、って事で八王子の方にあった夜もやってるショートコースに行き、普通に場代を賭けてゴルフをして終了。

それ以降はそれぞれ結婚したり子供が出来たりして、オッサンだけではあまり集まれなくなってしまい、『奥様会』と称して家族連れで集まったり、と言う感じのお食事会的要素の強い、非常に平和な忘年会になってしまった。

我々もだんだんとオッサンになって来て、子供も小学生になったりして手がかからなくなって来ているので、そろそろ一念発起してまた鬼ごっこをしたい所である。

是非皆様も大人鬼ごっこに取り組んで頂きたい、と言うのを結論として筆と言うかキーボードを置く事にする。

〜今日の教訓〜

フェニックスモールで鬼ごっこしたら多分楽しい。

誰か一緒にやろうよ。

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画像出典:ac-illust.com

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