先日、妙なニュースが出ていた。
搔い摘んで言うとこんな感じ。
- インドの中央産業保安部隊(CISF)がハイジャック計画の情報を入手した
- ムンバイ・ハイデラバード・チェンナイの3空港の警戒レベルをハイアラートに引き上げた
- 情報ソースは、FBA的なヤツかと思いきや一般市民
- ハイデラバードに住む女性から、15日深夜にムンバイ警察宛にメールがあった
- 曰く、彼女は昼飯を食べている時に、あるグループがハイジャックの計画を話しているのを耳にした
- その計画は、上記3空港を発つ便でのハイジャックの計画だった
- 『真偽は定かではないが、市民として責任を感じた』とも述べた
- ちなみに、ハイアラートは、搭乗者のセキュリティ検査を強化するレベル
- CISFの高官は『パニックになる理由はない』と述べた
らしい。
なんか色々とツッコミ所がある。
まず、
街中で他人に聞かれる様なレベルの声量で、ハイジャックの計画を話すアホがいるのか?
って点。
次に
この女性はホントにそう言う話を聞いたのか?
と言う点。
最後に、
彼女がいた現場の防犯カメラとかを解析すれば、瞬間的に犯人候補は逮捕されると思うが、それはやっているの?
と言う点。
最後の点については、その後の経過は良くわからないので置いておいて、2点目の『ホントにそれ聞いたの?』について。
日本人が、かなりのハイコンテクストな人種である事は有名な話。
一方で、インドは英語圏だし、やっぱり完全にローコンテクスト。
ローコンテクストだから、自分の意見はしっかり言わないと相手にも伝わらないのは当然と言える。
ただ、インドの奥の深い所は、ローコンテクストなりに自分の意見をバンバン主張しながらコミュニケーションをしっかりと図るくせに、かみ合っていない事がかなり起きている事。
そう考える背景を2つほど挙げてみる。
今日、とある一覧表を見せて来たインド人が、当方にここはなんでこうなってるんだ、と突っ込まれ、最初の10秒はその部分を説明するんだけど、ソッコーで違う話をし出した。しかも同じ事を4回繰り返した。
当方が突っ込んだ部分と言うのは、ヤツにとって『あまり話したくない』部分であり、すぐに始める違う話の部分は『話したい部分』なのだ。
つまり、上述の『自分の意見を言う』の所が『自分の言いたい事だけを言う』になってしまっている事が散見されるのである。
そりゃ噛み合わんよね。
次が、意外とこの人たちの英語能力が高くない事があったりして、インド人同士の議論であっても明らかに話がかみ合っていない事がある点。
この人たちにとっての最終ゴールがどこに設定されているのかはわからないが、『自分の言いたい事だけを言う』がかなりの高位にいる事は想像に難くない。
その結果、相手が何を言っていようが、或いは何を言っているか理解出来ていようがいまいが、自分の言いたい事だけを言う為に簡単に論点をすり替えてしまうのである。
つまり、『相手が何を言っているかを理解して聞く』ではなく、『自分の聞きたい様に聞く』になってしまう事があるのだ。
と話がそれたが、何が言いたかったかと言うと、もしこの通報した女性が、『自分の聞きたい様に聞く』特性を持った女性だったとしたら、と言う事。
ムンバイとかチェンナイにジャックってヤツが行ってよ、、、みたいな話を勘違いしてたんだとしたら。
まぁ、ガチでハイジャックの話をされてたらそれはそれでシャレにならないので、出来れば当方の邪推通りのくだらないオチであって欲しいものである。
ちなみに、『論点のすり替え』について面白かった事がある。
当方は営業的な立場の人間なので、どうしても客から『高い!値引きしろ!』と恫喝される機会が多い。
毎回、ロジックを組み立てて相手を圧倒する様にしているが、どうしても論理的に相手を論破出来ない局面がたまに出て来る。
日本だったら、『ぐぬぬ.…』的にどんどん追い込まれて行くのだが、その超絶劣勢の時に全然違う話をしてみる、と言うぶっ飛んだ技を繰り出してみた所、なぜかそのままその話になってしまった。って事が何度かある。
これは別に自分が劣勢だろうが劣勢じゃなかろうが使える。
客;この部品高い!値引きしろ!
僕;なんでよ。値引きしなきゃいけないロジック教えてよ。
客;他社の見積より高い!
僕;それ全然ロジカルじゃないじゃん。ところでこの案件承認してよ。
客;OK!
僕;ありがとう。じゃ今日はこの辺で。
と言った塩梅だ。
あ、やっぱりインドなら論点すり替えても大丈夫なんだ、と心を強くした次第。
でも俺様を相手に論点をすり替えるのだけは許さん。
〜今日の教訓〜
防カビ燻煙剤でハイジャックはできません。
こちらのエントリ参照!