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『メイド』と聞くと、どうしても秋葉原的或いは卑猥な臭いがしてしまうが、インドではそんなかわいいもんではなかったぞ。と言うのが今日の結論。
結論から先に入ってしまったが、インドではメイド文化は結構当たり前の様に存在しており、当方の数少ない人脈でも、メイドを雇っている人は複数人いる。
が、話を聞いていると、『モノを盗ったりはしないけど、仕事のクオリティは低い』的なヤツばっかりで、なんでそんな基本的な事を兼ね備えたヤツすらいないの?とずっとがっかりしていたと同時に、メイドを雇う選択肢は一切なかった。
とは言え、家族が来てから、やっぱ家事は大変だよね、って事でメイドを雇う事を検討し出した。
そこで登場するのが、アメスクのママ友ネットワーク!と言う事で、マダムに色々と情報を仕入れて来てもらったのだ。
チェンナイの良い所は、クソ不便な所だからか、チェンナイ歴の長い先輩方が異常なくらい親切な事。
これ、日本人の多いデリーとかバンコクとか、それこそシンガポールとかなんかじゃ考えられないっしょ、ってくらいみんな親切。ビビる。
で、その情報網の中から、年末に帰国された方に仕えてたメイドが質が良く、次の仕事を探している、と言うナイスな情報をゲット。
長くなるので、時系列で書いてみる。
1/21(土)
早速土曜日に呼んで面接兼条件ネゴを行ってみた。
掃除洗濯炊飯子守、全てやらせるっしょ!みたいな剛直なツワモノもいらっしゃるが、どうしてもメシだけは任せる気になれないのと、子守を任せるなんて事は絶対にしたくないので、その分仕事量は減る。
また、我が家はそこまで広くない(150平米ないと思う)ので、ぶっちゃけ余裕で終わるっしょ、って事で、週5×3時間労働を提示。
月5,000でどうだ?と聞くと、
交通費1,000含めて7,500ください、サー
と言うクソ生意気な返答。コラ。
んじゃ6,500ね、と返すと、何とか7,000でお願いします、と食い下がって来るので、仕事はできるヤツと聞いていたしまぁいいか、と言う事で合意。
9時半〜12時半が君の時間だ、俺は遅刻は大っ嫌いだからしっかり時間は守れよ、遅れる場合は事前に連絡しろよ、と言うのと、仮に早く仕事が終わっても3時間はここにいろよ、と言うのを念押ししておいた。
後者の方は言っておかないと、適当に仕事を終わらせて、他の家との仕事掛け持ちとか、ナメた事をするリスクがあるからね。
いつから来れるの?月曜からで良いの?と聞くと、OKサー!と威勢の良い返事。
これで月曜から少し楽になるね、なんて話をマダムとしていた。
1/23(月)
この日は以前のエントリでも書いた、Jallikattuのデモの日。
上述の様に朝9時半に来る事になっていたが、ちょうど9時半にメッセージ。
曰く、
今朝父親が事故にあった(何の?)
私は病院にいる
なので今日は行けない
明日から行く
との事。
この1年弱のチェンナイ生活で、まず疑ってかかる癖がついてしまった当方、素直に心配してあげれば良いのに、ホントかよ、寝坊しただけだろお前、くらいに感じてしまった。
これは人間として良くないとも思うので、直したいと思いながら、もう直らない気がする。
※参考1;退職する部下に騙された話 ※参考2;スタビライザーだよ!と言われて買ったら延長コードだった話
とりあえず昂ぶる感情を抑え、返信せずにほったらかす、と言うプレーに出る。
すると、夜7時半頃に再度メッセージ。
曰く、
今朝父親が事故にあった(知ってるよ)
父親は病院にいて、ICUに入ってる(マジか)
なので明日も行けない(ですよね)
明後日から行く(ホントかよ)
と言う内容だった。一気にシリアスさがグレードアップ。
ホントに大変な状況なのかもしれないが、一回しか会った事のないヤツを信じる訳にいかない、と言う当方の中のミスター猜疑心が暴れ出し、『金せびって来るんじゃねぇの』とか言い出したので、返信をぐっと我慢。
その日は寝た。
1/24(火)
朝起きてから、『明日は我々は家にいない。明後日は祝日だし、金曜もいないので、来週月曜に来てくれ』とメッセージを入れた。
一応冒頭に『Everything is fine?』と言う中途半端な謎の一文を入れてみたのは、当方の心に潜むガンジーな部分の為せる業。
そして一週間経過。
1/30(月)
当方出勤後、10時半頃にマダムから一言、『来ない・・・』と悲しげなラインがカミング。
事前連絡あったの?と聞くと、一切ないとの事。
しょうがないので、『Where are you?』と言う中学生レベルのメッセージを鋭く発信。
すると、当方宛ではなく、マダム宛に以下返信。(なんで?)
おはようございますマダム
父親はまだ病院です
私も病院にいます
なので今日は行けません
2/1に行きます
Just for your informationです
は?
もう、ツッコミ所が多すぎて何を言えば良いのかわからない。
まず、遅れる場合は事前に連絡しろと言った。そもそも遅れるな。そしてjust foryour infoって何様だ。平謝りしろ。
ってな塩梅で、温厚なタマノミヤさんも穏やかではいられず、
なんでお前は前もって連絡できないの?マイワイフは君を待っていたんだぞ。マジで改善しろ。
とメッセージを送信するも、ガチでシカトされた。ぐぬぬ。
この時点で、当方からはマダムに対して『もう次のメイド探してくれ』と依頼をしたが、マダム的には『もう一回チャンスをあげたい』との事で特にアクションはせず。2/1まで待つ事にした。
2/1(水)
約束の日。
9時20分に、マダム宛にメッセージ。
おはようございますマダム
まだ病院にいます
父親は手術する事になります
明日は必ず行きます
絶対行きます
For your informationです
あーやっぱりね、とも思いながら、一応、事前連絡が出来た、と言う事で一歩改善したと判断する。小学生かっ!
しかし、このfor your infoっての、何が正しい和訳なのかわからないけど、情報まで、或いは、ご連絡まで、って感じにしか受け止められず、立場が下のヤツから送られるとイラッとしてしまうのは当方だけだろうか。
2/2(木)
そんなこんなで更に1日待つ事になったので、念の為『明日来なかったらもう来なくて良い』と最後通告のメールを前日にしておいたら、さすがに来た。
で、3時間働いてもらった結果、確かに腕は悪くない、むしろかなり良い、とマダムが仰るので、トライアル終了⇒正式にうちで働いてね、と言う事になった。
2/3(金)
この日は当方は家にいた為、仕事後に簡単に作った契約書的なものにサインさせ、来週からちゃんと頼むよ、と念押しして帰らせた。
普通、ここまで行けば、後はもうちゃんちゃん、って感じだと思うんだけど、そうは問屋がおろさない、ってのがインドの魅力。
2/6(月)
またもや9時20分に以下メッセージ。
おはようございますマダム
今日、父親が手の手術をします(ICU入ってたのに手かよ)
やっと病院で携帯を充電できたので、連絡が遅れました(家に電気ないの!?)
明日は行きます
For your informationです
うーん。。3日坊主にも達してないぞ。もうちょい頑張れよ。
2/7(火)
来ない。昨日までは、かろうじて連絡してからの欠勤だったが、もはや何も言わずに来ない。なんなの?
マダムと、ありえなくね?みたいなやり取りをしていたら、12時頃、ひょっこりと現れたらしい。
さすがにマダムも怒ったらしく、ショゲながら以下相談があったらしい。
2月は火曜と木曜に病院に行かないといけない
なので、週3日にして欲しい
3月は絶対に遅れずに来る
土曜にサーと相談させて欲しい
土曜の11時に時間空けておいて欲しい
との事。
優しいマダムは、わかった、ハズバンドと話してね、と言って帰したらしい。優しすぎる。
2/8(水)& 2/10(金)
『火曜と木曜は行けない』=月水金は行ける、と言っていた舌の根も乾かぬうちに、水曜も金曜も事前連絡なく欠勤。
もう、この時点で当方は決心した。
こいつはもう許さん。土曜にクビにする。でもきっと土曜も来ないだろう。
そう思っていた。
そしたら。
・・・・
・・・
・・
・
2/11(土)
ホントに来なかった。そんなのあり?
午前、念の為に予定を入れなかった当方に全力で謝罪して欲しい。
が、もう一生会う事はないだろうからいいや。
と言う事で、結構な工数をかけた結果、メイドを一人クビにした、ってのが今日のお話。
ちなみにその後もずっと連絡はなく、もう存在すら忘れ去ろうとしていたが、先週の金曜に10日ぶりにいきなり連絡が来た。
来週から行っていいですか?
お引き取りください。
最後に、なんでクビかを滔々と伝えた上で、一応トライアル1日を含む3日分の給料って事で1,000ルピーを渡す事にしたが、逆上されてマダムが刺されたりしても嫌なので、現金自体はドライバーに渡させた。
ホントはそれすら渡すのも不愉快だったが、一応ね。
で、その様子を見てたドライバーがマダムに、なぜクビにしたのか?彼女は何をしたのか?とやたら食い付いて来たらしく、
- 彼女は一回も時間を守れなかった
- 注意して何回もチャンスを与えたのに直らなかった
- 最終的には事前連絡すらして来なくなった
- もうそんな人とは信頼関係を築けないし仕事も頼めない
みたいな事を言ったら、
- インド人はそんなモンだよマダム
- 日本人はそんなにきっちりしてて疲れないのか?
- そもそもサーは厳しすぎるよマダム
と、なぜか矛先が当方に向いたらしい。なんでや。
〜今日の教訓〜
与えよ、さらば与えられん
これ、ホントですかね?