インドと言えばガンジス川。そんな印象を持っている方も多いのではないだろうか。
当方の知り合いの中で、唯一自費でインドに旅行に来たタヌキ似の後輩は、ギリギリの生活をする、と言い張ってインド人と同じ格好をして屋台メシを食いながら電車でバラナシへ移動、ガンジス川への沐浴を果たしていた。
で、結果、インドでこうなった。
この2年間でヤバい症状に見舞われたのは1回だけ、とかなりセーフティに過ごしている当方としては、彼の行動の全てが『ありえない』ものであり、そりゃそうでしょ、と思ってしまうのだ。
とは言え、ガンジス川がどんだけ汚いのか?については定性的にしか認識がなく、彼がどうして入院するハメになったかを定量的に示す事は出来なかった。
そんな中、笑えるニュースがあって、ようやくガンジス川の汚さを定量的に示す事が出来たのでそのお話。
ヒンズー教徒はガンジス川の水に『罪を洗い流す効果がある』と信じている
バラナシの川岸の沐浴場では、多くの信者が水に入ったり口をゆすいだりしている
一方、バラナシの地元紙が、『沐浴は危険だよ』と警鐘を鳴らしている
理由は、汚染が深刻だからであり、どの程度深刻か?については、昨年の政府の調査結果が示されている
曰く、基準値の最大23 倍のふん便性大腸菌が検出された、との事
流域人口が増え、排せつ物のほか工場廃液も増加、川岸で火葬された遺体や遺灰も流されていて、処理が全く出来ていない事が原因
日本政府は円借款を通じ、バラナシで大型下水処理施設の建設や下水管の整備を支援、施設は今年中に稼働する見通し
デリーから訪れ上半身裸で沐浴をした42歳男性『心が清められる。濁っていても、これは聖水だ』と恍惚の表情
水質汚染を伝えるニュースを『ガンジス川のことを全く理解していない』と一蹴した
ヒンズー教徒はまぁもうしょうがないから良いとして、このニュースを見て、これでも『ガンジス川に入りたい』と思う人はいるのだろうか。
以前、正月恒例でやっていた多摩川河川敷草野球で、負けチームのヤツらを多摩川に叩き込んでいたが、帰りに車に乗せた所、マジでドブ臭かった。
多摩川ですらそうなんだから、ガンジス川なんかに入っちゃったら罪が流れるどころか、一生取れない臭いがついてしまいそうだ。
インドに来てガンジス川で沐浴したい、とか思っているヒンズー教徒じゃない日本人の方は、ここのリスクを良く考えて行動に移して貰いたい所だ。
ちなみにタヌキ似の後輩は、
俺は沐浴したかったんじゃない
足だけつけようと思ったら下がヌメり過ぎてて滑ってコケただけ
ついでに口の中に水も入ってしまったが意図的な行為ではない
人生観なんか1mmも変わんなかった
と述べていた事も申し添えておく。
〜今日の教訓〜
日本が支援した水処理施設が稼働して効果が見えたら行く。
それまでは行きたいと全く思わないよね。