昨年の話だが、当方がインドでウハウハしている間に、日本ではSNSが絡む事件が色々と起きていた様だ。
どれもこれも、SNSで知り合った男と会ってトラブルに巻き込まれた、と言うもの。
今日は、この『SNSで知り合った異性と会う』と言う行為について書いてみる。
覚えている人は覚えているかもしれないが、当方が学生の頃の21世紀初頭、スタービーチと言う出会い系サイトが世の中を席巻していた。
このスタービーチの特色は、基本的にメルアド公開で行われているので、いきなりダイレクトにお互いがやり取り出来る、と言う破格なものだった。
今考えれば恐ろしいレベルの個人情報ダダ漏れ状態だが、時代が時代だった、って事だろう。
そんなスタービーチ。
夏合宿で消耗し、文字通り精神さえをもすり減らしている我々にとっての唯一無二の暇つぶしであった。
以前のエントリでも書いた事があるが、我々の大学のラグビー部の夏合宿はエグかった。エグい以外の形容詞が思い浮かばない。明日が来ないで欲しい、寝るのが恐い、でも眠い、でも寝たくない、とか本気で思っちゃうくらいエグい。
好きな事を自分の勝手でやってんだからエグいとか文句言うんじゃねーよ、とか言わないで欲しい。そう言う問題じゃないのだ。
とにかくエグい。好きでも嫌いでも、エグいモンはエグい。
エグいと言う単語を7回も乱発し、エグかった事を読者諸賢にインプリンティングした所で、それだけエグかったんだからスタービーチに手を出してても仕方ないよね、と言う同情的合意を得たものと解釈する。
心が荒んだ部員達はかくしてスタービーチに手を出し、強豪大学のラグビー部員であると言うブランド力をフル活用し、次々に返信をゲットしていた。
繰り返しになって恐縮ながら、このご時世でこんな事をしてたら、それこそ問題になりそうなリスキーパターンだが、時代が時代だったのだ。あとエグかったから。
練習が終わり、更にメシ練(クソ食わされるので、メシ時も全く落ち着かない)が終わった後の束の間の休息。
そこで行われるやり取りは、夏合宿が終わって東京に帰れたらいつ飲み会をするか、の様なモノだった。
今考えると、これのどこがモチベーションになるのか1ミクロンも分からないのだが、当時はこの期待感がモチベーションとなって練習を乗り越えていたので、どれくらい錯乱状態だったかがわかる。
かくして開催される事になるスタービーチ合コン。略してスタビコン。自動車業界にいると、スタビライザーバーのコントローラー?何それ?とか思ってしまう。
なぜ合コンなのか?と言う点においては、
- 顔写真の写メはお互い交換しているものの本物である保証がどこにもない
- 会ってみて全然違った場合のリカバリー方法がサシの場合はゼロ
- そもそも出会い系をやってる女が恐い
この3点に尽きる。
実際、当方も経験があるのだが、飲み屋に行って飲んでると、女の子が紙ナプキンをひたすら千切りつつ、
あたし精神科(!)から退院してからずっと、こうやって紙を千切ってないと落ち着いてお話できないんだよね
と言ってて、見た目ゴリラの我々が、フィジカルではその時渋谷に存在している人類のトップクラスであると予測されるにも関わらず、恐怖に打ち震えつつその15分後に解散したのは言うまでもない。
なお、実は我々が先方目線からはあまりに役者不足で、早く帰りたいが為に彼女がこんなウソをついていた可能性も否定は出来ないが、とにかく恐かった。
この経験以降、当方の中では
誰かの知り合いでも何でもない様な関係性ゼロの人とは会いたくない
の考えが頭を支配している。
ところが、最近の若者達は、この考えは特にないんだろう。
ネットの普及でここの垣根が相当低いのかもしれない。結構カジュアルにSNSで知り合った異性と会うパターンが多い様だ。
アニメだとかスポーツだとかアーティストだとか、共通の趣味があって、それをネタに知り合って実際会う、と言うパターンだろうし、多くの場合そこにはそんなに危険性がない事は想像出来る。
ただ、『相手が良い人間なのか悪い人間なのかが確信を持てていない状態で会う』事に、リスクが内包される事くらいはわかっておいて欲しい所だ。
特に女性目線から行って、相手が男の場合、どんな共通の趣味がバックボーンにあったとしても、99%の確率で下心があるはずだ。
下心なんかありません、って男がいたらそいつはウソツキかヘンタイなので吊るすしかない。もしくは超草食動物なので、捕獲して動物園に売り渡してしまえば良いのだ。
うちの娘なんかも、近い将来この手の事を経験するのかも知れないが、当方の大学の頃のあり得ない話をぶち込んで『世の中どれだけ恐いか』を教えておこうと思う。
は?何それマジきもいんだけど。
と言われる可能性については否定出来ない。甘んじて受け入れようと思う。
ここまで書いて、インドが全く関係ない事が心残りなので、満を持してインドの話を突っ込んでみる。
この『SNS上の知り合いにリアルの世界で会う』についてどう思うか?をチェンナイの部下に聞いた所、
そんなのインドでは普通っすよ
とバッサリ斬り捨てられてた。がふっ。
掘り下げて聞いて行くと、男女の出会いを求めて会うのではなく、殆どがLinkedInを通じた仕事関係の出会いだったり、共通の趣味を通じて盛り上がった挙げ句にグループで会う、の様なパターンらしい。
実際、先月入社して来た女の子は、部下がLinkedInで見つけて来た子だったりするし、そんなふしだらな事はないんだ、みたいな事を言ってはいた。
ただ、そいつは学生時代の頃からの彼女と結婚した一途くんなので、違うヤツに聞いたら違う答えがあるかもしれない。と思って、デリーの別のヤツ(かなり仕事出来ない)に聞いてみたら、
Dating appってヤツっすね!結構みんな使ってますよ!
となんともふしだらな回答。
なんだと?貴様そんな淫らなモノに手を出しているのか?姦通罪でクビだ!
と言って、無理矢理いちゃもんをつけてクビにしたいのはマウンテンマウンテンなのだが、さすがにそんな事は出来ない。
仕方ないので、もうちょっと詳しく聞いてみると、
デリーはいくら都心とは言え、未だに『親の決めた相手と結婚する』ヤツはいる
その場合、婚前交渉は禁止されてたりするのも事実
だが、そんなの親に言わなければバレない(完全男サイド目線)
そう言う時に、後腐れのないこう言うマッチングアプリは非常に重宝する
何故なら元々の知り合いではない為、親につながる可能性が低いから
そんな親のシバリとかがないヤツらは、もっと軽々しく使っている
みたいな事を言っていた。
マジかインド人。ウソだと言ってくれ。
それにしても、マッチングアプリを通じて、その女の子と自分の親がつながってしまう危険性については考えないのだろうか。考えないだろうね。
とにかく、意外とインド人もこう言うの使ってんのね・・って事がわかって、また大人の階段を一段昇った気分だ。
自分の見ている世界が如何に狭いか、もっと視野を広げろと言う事だろう。
・・・
・・
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視野なんて言葉を使ってしまったモンだから、最近、何かの本で読んだのか、上司が
視野視座視点だ!
とリピートしまくっている事を思い出してしまった。
何となく、立ち位置を示す視座がまず最初に来て、次にどんな切り口で物事を見るか、の起点となる視点が来て、最後にどれだけの範囲のものを見るのか、の視野が来る様な気がするので、言うならば
視座視点視野!
の様な気もするが、イマイチ良くわからない。視座視野視点、でも良いのかもしれない。
あまりに話が飛び過ぎてしまったが、要は、会社の結構えらいポジション(当方の事)と言う視座に立ち、インド人がどうやって出会い系を活用しているか、の視点から観察した場合、視野を広げればデリーとチェンナイだけでもかなりの地域差がある事がわかる、ってお話になるのだ。
なんのこっちゃ。
〜今日の教訓〜
逃げるが勝ち。
モヤイ像待ち合わせ→ゴリラ4体がモヤイ像→駅の改札側からチラチラこちらを観察する女子4人→電話かかって来る→今モヤイにいる?→いるよ、早く来てよ→こんにちは〜→どぎつい4人組だった→んじゃお店行こっか→男女別々で歩き出す→徐々に歩くペースを早める→2つ目の角を曲がった所で激ダッシュ→逃げ切る→電話かかって来てキレられる→逆ギレする幹事ゴリラ
誓って当方の話ではありませんが、実話です。
世の中ろくなモンじゃない。