先日、ジュネーブの空港で、7歳の家出少女ちゃんが、空港の全ての検査をすり抜け、機内にまで到達、そこで御用となった、ってニュースがあった。
7歳って、うちの娘と同じくらいの年齢だし、その年齢で家出考えちゃうんだ、、って方にまず頭が行ったのだが、同時に、ジュネーブの空港のセキュリティぬるっ!とも思う。
国内線なのか国際線なのかわからないけど、イミグレの事とか考えたらきっと国内線なんだろう。さすがにイミグレはパスポートとチケットなしじゃ通過出来ないもんね。
でも、仮に国内線だとしても、同じ事象はきっと、と言うかまず確実にインドでは起きないだろう、ってのが今日のお話。
インドに来た事のある人はご存知かと思うが、インドの空港におけるチェックシステムは、超絶ウルトラ人海戦術を採用しており、折角なので、デリーの空港を例に、一つずつステップを書いてみる。
空港の建物の入り口
まず空港の建屋に入る段階で、第一関門がある。
全ての乗客は、自分の身分証明書と、Eチケットを軍人に見せないと建屋に入れない。
裏を返せば、それ以外の人は一切中に入れないので、折角見送りに来た人も、建屋の外から一生懸命手を振る、と言うシュールな絵面が展開される。
建物に入った後、チェックインカウンターで発券して貰うのは、他の空港と同じ。
手荷物検査の列に並ぶ直前
どの空港にも、手荷物検査のスペースがあるが、そのどの空港にも、そこに至るまでの直前に軍人が配置されている。
この軍人にチケットを見せて首を横に振られて初めて、手荷物検査の列に並ぶ権利が与えられる。
手荷物検査
携帯を含む全ての持ち物をX線検査にかけ、ポケットにも何も入っていない状態で手荷物検査に臨む。
1人ずつ軍人のもとに通され、べったべた全身を触られながら、変なモンを持ってないかチェックされる。
マジで執拗な程に全身を触られるあの感じ、何度やっても慣れないんだが、金属探知機が股間の辺りでベルトに反応して『ピッ』と音を鳴らすのには笑ってしまう。
そう言う時に『オゥ』と言うと、時々軍人が笑うので、何となくホンワカする。
怪しくない人間である事が証明されてから、軍人がチケットにスタンプをがシャン!と捺す。
なお、チェンナイの空港では、ここのプロセスがいつも激混みで、並べない・並ばないバカタレが大量に湧き出て来るので、最もストレスが溜まり、並べバカ!と言ってしょっちゅうケンカをする事になる。
搭乗ゲート
各航空会社の職員が、チケットをバーコードリーダーに読ませて搭乗手続きをする。
ここは極めて普通の対応。
なお、搭乗開始となった瞬間、我先にとインド人がゲートに殺到して、そこに突入すると超絶ストレスが溜まるので、スターアライアンスでステータスを取得&エアインディア利用で、優先搭乗の恩恵に与るか、ゆったりと渋滞が解消するまで待つか、どちらかが推奨される。
搭乗ゲートの5m先
たった今チケットチェックを受けたばっかりなのに5m先にもう1人突っ立ってて、またチケットのチェックをする。
この写真で言う所の、左から2番目の男ね。
意味がわからない。
ボーディングブリッジへの入り口
更にテクテク歩いて行くと、ボーディングブリッジの入り口に軍人が立っていて、チケットのチェックをする。
ちょっと前まで存在していたタグ(過去エントリ参照!)のチェックも一生懸命行っていたが、デリーやチェンナイの空港では廃止されているので、存在意義が2分の1に激減している事に彼は気付いているのだろうか。
ボーディングブリッジの先っちょ(機体入り口)
ここにも軍人が立っていて、再度チケットのチェックを行う。きっと、ボーディングブリッジに忍者の様に隠れていて、密航しようとするヤツがいて、そいつ対策なんだろう。
と言う事で、合計7つのチェックゲートを紹介した。
これだけあれば、家出少女が大人と一緒のフリをして飛行機に乗り込もうとしても、ほぼ100%の確率で突破出来ないので、その点においてはインドの空港のセキュリティは完璧なのである。
が、、、
無駄が多いよね、ホントに。
雇用を生み出しているとは言えるが、人件費が年10%レベルで上昇している国において、いつまでもこんな事やっていたら、早晩競争力を失う事は目に見えているので、無駄である事にとっとと気付いて、機械化するとかで省人化に努めてもらいたい所だ。
と言うか、全くもってユーザーフレンドリーじゃない事に気付くべき。
成田と羽田の快適さを見習え。
〜今日の教訓〜
こんなんだから、ホントは飛行機とか乗りたくない。
若い時は飛行機出張とかテンション上がってたけど、今はもうダダ下がりやで。