グルガオンに回転寿司が出来たらしい。
こんなけしからん噂が9月頃にツイッターで流れていた。
猛り狂った殿下がその旨をブログに書き殴り、デリーからの遷都を提案した所、デリー在住の親切な方お二方から
ダイアパークの敷地内のClarensと言うホテルの中にあるよ!
とのタレコミがあった。
そのタレコミは実は10月の頭にあったのだが、色々あってグルガオンの盛り場に行く時間が取れず、今週漸く行って来たのだ。今回はそのおはなし。
寿司を食べる前にドライバーとひと悶着
3週間ぶりくらいにデリーに行ったら、見知らぬドライバー(新人)が迎えに来ていた。
最初が肝心なので、何かあったら圧倒したろ、とか軽く思っていたのだが、予想通り何かがあった。
そのドライバーは、総務担当から、
タマさんはリージェンシーに泊まる
と言う情報をゲットしていたらしい。なので、リージェンシーに行く、と思っていた事はOK。
ただ、車に乗った瞬間、
僕;ダイアパークね。
ド;ノットリージェンシーサー?
僕;ファーストリーダイアパークでディナーね、で、アフターディナーにゴートゥリージェンシーだ
ド;オッケーサー
こんな感じの分かり易い事この上ないやり取りが行われた。
が、ダイアパークに行く為にはここを曲がらないといけないよね、と言う交差点を快調に通過。
あれ?工事か何かしてて遠回りすんのかな?と思って放置してたら、次の左折チャンスゾーンも通過しようとしたので、慌てて一時停止する様に指示。
おい、停まれ!お前どこ向かってんだよ!
と言うと、リージェンシーサーと答えながら全く減速せずにそのまま左折チャンスを逸失しやがったので、温厚な殿下も穏やかではいられず、
ダイアパークだっつってんだろボケ!
と日本語でシャウト。ざけんな。
結局、その先の陸橋も渡ってしまい、そこで5分くらいはロスしただろう。
こんな事でシャウトしなくても良いのだが、車に乗った時点で、ややイライラしていた。理由は、
- 空港パーキングの料金精算のやり方がわからなかったらしく、ウロウロしながら1分くらいロスしていた
- 精算後、ここで待っててサーと言われてから車が来るまで、リアルに5分以上待たされた
- クラクションぷーぷー野郎だった
為である。
なんで同じフロアに車停めてて5分もかかるんだアホ、とは言わなかったが、イライラするだろそりゃ。
たった10分ちょっとのロスでシャウトしてしまった事になり、文字にすると、何かちっちぇえな、とも思うが、一刻も早くメシを食べてジムに行きたかった中でのロスは痛い。と言うか不快。
まずお店の情報から
初っ端から愚痴になってしまって大変申し訳ない。気を取り直してお寿司屋さんのおはなし。
冒頭でも書いた通り、ダイアパークと同じ敷地のClarens HotelのGFに入っている。
地図はこちら。
建物に入った瞬間の右手側にこんな暖簾が威風堂々と垂れ下がっているので、すぐわかるだろう。
お店の名前は寿司京。名前の由来は聞き忘れた。
隣には鉄板焼き屋さんもあって、そちらから寿司をオーダーする事も可能らしい。
寿司は回ってなかった
店に入ると、こんな絵面が待ち受けている。
良い光景だ。良い光景としか言い様がない。
良い光景なのだが、寡黙にクルクルと回るベルトの上には、寿司ネタを載せた皿は一つない。ベルトがひたすら動いてるだけだ。
もう一つ言うならば、客も一人もいなかったので、大将に近い席にチョコンと着席した。
頼んだのは冷奴・天ぷら・寿司
取り急ぎ、料理の写真から。
こちらがお通し。お椀がかわいい。(ちゃんと陶器だったよ)
蓋を開けると、こんなん。美味しかった。
冷奴と天ぷら。
冷奴も、絹のちゃんとした豆腐で普通に美味しいし、天ぷらは塩とレモンを渡され、両方の味を楽しんだ。ボキャ貧この上ないが、とにかく美味しい。
で、お待ちかねの寿司。
上握りセット松とやらをオーダー。じゃん。
左から、赤身⇒サーモン⇒魚⇒魚⇒ウナギ(穴子?)⇒海老⇒イクラ。真ん中の2種類は何か忘れてしまった。
結論、普通に美味い。ボイルされている海老はあんまり興味がないので対象外だが、他のネタは普通にどれも美味かった。
都立大学徒歩5分のすし処新田中にはもちろん勝てないが、日本の寿司屋で食べるネタと比べても遜色ない。たぶん。
※殿下バカ舌説が唱えられているので、保証はしまへん。念の為。
美味しい理由は色々ある
いや~美味いっすね!と大声で大将を盛り上げておいて、色々お話を伺った。
以下、ポイント。
- サーモンは冷凍ではなく北欧産を生で仕入れている
- デリーで生で魚を扱っている業者を見つけた
- マグロはインド洋のマグロを仕入れている
- トロとかは日本に行っちゃうけど赤身なら充分に仕入れ可能
- イクラも今日は美味しいのが入った
との事。
確かに、サーモンが一番美味しかったし、イクラも普通に美味しかった。
美味しいネタのお話の裏に潜む食文化の違い
ほほぉ、すごいじゃないか、そんな良い業者があるんだな、と思いながら話を進めていると、
- 寿司はネタが全て
- インド人は、客も業者も『ネタの大切さ』を理解してくれない人が多い
- せっかくの生サーモンも投げて渡されたりする事があった
- その度に『客に出すネタに何しやがんでい!』とブチ切れて来た
- 業者的にも、『どうせ炒めて出すんだから多少傷んだって良いじゃん』と言う目線
ともお話されていた。
以前、日本料理研究会と言う団体の話を書いたが、そこでも触れた通り、日印間では、食文化の親和性は著しく低いんだろう。
この辺り、『ホンモノの日本食の普及』に対して、かなりハードルが高い事を顕著に示していると思う。
インド人にジャパニーズカルチャーを伝えるのは至難の業
先ほどの料理の写真でもちょいちょい写っているが、お皿の下に敷く紙には、こんなイラストが描いてある。
ハウトゥスシ 的な説明だ。
書いてある事を一個ずつ書き出すと、
- 回ってる皿から寿司だけ取らないでね
- 食べ終わった皿は戻さないでね
- お茶はタダだよん
- 寿司を取りに歩き回らないでね(和訳あってる?)
- 醤油を入れる小皿は目の前にあるよ
- 総額は皿の種類とそれぞれの数で決まるよ
と言う、我々にとっては極めて基本的な事。
こんな事書かなくたって・・・と言うのは当てはまらず、そりゃ初めて体験するインド人にはこの手の説明は絶対に必要だろう。
そこまでは良い。問題は、インド人が予想を上回るパフォーマンスを見せて来ているらしい事だ。
客がパンチャー揃いなのは已む無し
大将曰く、色んなお客さんがいて参りましたよ~との事だったが、聞いた限りでは
- 1貫だけ取る客
- やっぱり出た皿を戻す客
- ガリとワサビだけ食って帰る客
- 醤油をビールのチェイサーにする客
- 寿司を醤油にドブ漬けにする客
が多発したらしい。
結果的に、ガリとワサビは有料化し、寿司ネタを回すのもやめてしまった、と言っていた。うーん。
インド人はんぱねー とかしょうもない感想を抱いてしまったが、もうこれは仕方ない、と割り切っている様だ。曰く、時間をかけてちょっとずつ浸透させていくしかない、と。
他にも色々と苦労話をしてくれたが、是非本人に直接聞いてあげて欲しい。潰れられると困るし。
一応最後にお金の話をしておくと、これだけ食べて2,314INR、約3,500円。まぁ、お酒呑んでないしね。
メニューはこちら。まず飲み物。結構色々ある。
一品料理。ガリは150INR!
こちらが寿司。
ワサビはスパイシーソースと言う名前に姿を変え、50INRで提供されていた。已む無し。
と言う事で、デリーエリアにお住まいの方、既に行った事のある方も多いかと思うが、是非ガシガシ利用して頂ければと思う次第だ。
チェンナイに住んでいる人も、出張の時に有効活用して頂ければ。
一応、売り文句としては、
- ホテル全体で4人の日本人シェフ(スタッフだったかも)がいる
- イタリアンも今週仮オープンして、鉄板焼き・寿司・イタリアンの3本柱で勝負している
- 上のフロアにはお姉ちゃんのいるカラオケがある(かわいいのかどうかは不明)
- 日本人がやっているマッサージ(エロくないヤツって言ってた)もある
との事。
間違いなく言えるのは、
ダイアパークの入ってる敷地での選択肢の多さはインド随一
であり、やっぱり行き着く結論は
デリーはインドじゃない、遷都しろ
しかないだろ。
これでハードシップの額が同じとかありえねーよ!と思う一方で、デリーの空気の悪さは尋常じゃなく、メシが美味くても早死にリスクがあるしなぁ、、と思い直し、同額のハードシップで仲良くやっていこうね♡と考え直したのだった。
このぼやけっぷり、エグいよね。
~今日の教訓~
今度の日曜に初めてダイアパーク泊まる。
夕飯はこの寿司屋やな。