稀勢の里はまだ引退しなくても良い

正直、もう終わったな、と感じる。

初日、左にこだわり過ぎて右がすっかすか、左脇に入られると慌ててそのまま寄り切り。

昨日、逸ノ城相手に謎の突き押し相撲を見せ、簡単にいなされて転がされ。

今日、立ち会いとか前のめり過ぎだし、何をしたいかわからず、瞬殺。しかも栃煌山相手。

本来であれば、もう今日の取り組み後、速やかに引退していなければならないと思う。これは建前。

一方で、本音の部分では、まだ良いんじゃねとも思う。何故か。

先日の日経のスポーツ欄に、元ソフトバンクの小久保の手記が寄せられていた。ネタは、王監督にブチ切れられた時の話。

試合でエラーをした後、しつこい記者に『自分の実力はあんなモンだ』と言った趣旨の投げやりな話をしたらしく、その翌日にそれが新聞に載り、王監督に真偽を正されて認めると、

馬鹿野郎、我々はファンに夢を売って商売をしてるんだ。このコメントを読んだファンはお前から夢を買えるのか!

と大目玉を喰らった、とあった。

その手記には、王監督は、

2番打者が打てなくても何も言われないけど、4番は打てないと言われるし、逆に活躍したら、大きな記事になる。だから、4番やエースの責任は重い

と言う信念を持っていたとも書いてあった。

それ以来、小久保は『逃げない人間になった』と。さすが王監督。と思った。

このロジックから行くと、

大相撲の力士も、プロ野球選手同様、ファンに夢を売っている

ファンが夢を買っている=夢を抱いている=応援している事が大事

稀勢の里は負け続けているけど、まだ人気があるし、応援するファンはたくさん

確かに横綱の責任は重いが、逃げずに戦い続け、勝てば更にファンは増える

とも言える。

今日の取り組み後、行司の伊之助ですらも、栃煌山に対して『稀勢の里〜』と勝ち名乗りをあげてるし、みんな動揺してたんだろう。つまり、稀勢の里を応援している人はまだまだ多い。

元々ファンだった人は、一様に

もうダメだな

と思いつつ、心のどこかで、或いは全面的に今でも応援しているはずだ。

これが稀勢の里じゃなくて、白鵬や鶴竜だったら、即座に引退勧告なんだろう。モンゴル人だとか、日本人だ、とか言う話は残念ながら残り続けるし、曙の引退時のコメントの

8勝7敗で良いならまだまだできるが、横綱には勝ち続ける責任がある

を思い出すと稀勢の里だけが特別扱いで良いのか、とも当然思うが、これはスポーツの世界。ファンが応援してれば良いんじゃないか?と思う。

内閣だって、支持率次第でどうとでもなるんだから、支持率の高い稀勢の里はまだまだやれる。きっと。

まぁ、今日引退会見が出来なかった、と言うのは、稀勢の里一人じゃ決められない=協会の意向が多分に働いている可能性もあって、こんなきれいごとじゃないんだろうけど、あの白鵬の双葉山への挑戦を無情に止めた様な男には、まだまだこんな所で終わって欲しくない。

明日は、今場所絶好調の錦木戦。本来であれば負ける様な相手ではない(失礼。だけど去年は十両陥落の危機を迎えていた様な力士)はずだし、取り口的には左で攻められそうだし。現役最後の取り組みは、せめて次世代のスター候補とかであって欲しいので、根性で勝って欲しい、いや勝たねばならない。

と言う事で、稀勢の里、集中。

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