16歳の娘に運転を教えるのはそれなりにメンタルを削られる件

 

 

何度か書いている様に、当方には4人娘がおり、長女は16歳。日本では高校2年生、こちらの学校で言う所のJuniorである。

 

日本の16歳と言えば原付に乗れるくらいだと思うのだが、こちらは普通に自動車を運転し始める。

しかも、日本と違って、教習所に何週間も缶詰になるわけではなく、まさかの

親が教える

が基本となる。

詳しく見ていこう。

 

パーミットを取ったら即日公道を走れる

我がオハイオ州では、15歳半になったその日からTemporary Instruction Permit、俗に言うTIPICを取得出来る。聞き慣れないので、パーミットと表現する。

 

パーミットを取るのに必要なのは、30分程度で終わる筆記試験(BMVという役所みたいな所の専用パソコンで受ける)と視力検査のみ。この2つを通過してパーミットが取れれば、その瞬間から公道で練習出来る。21歳以上の有効な免許保持者が助手席にいれば運転可能、という条件付きではあるけど、実にザルとしか言い様がない。21歳以上って誰よ、となると当然親である。

 

昨日まで助手席でふんぞり返ってショート動画を見ていた娘が、今日から何のインストラクションもなしにいきなり運転席に座る。

これに関しては恐怖以外の感情は出て来ないのではないか。

 

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最初は駐車場から

当然ながら、いきなり公道に放流する勇気は当方にはない。

まずは、何をどう間違ったとしても、自分にも他人にもダメージを与えないであろう広い駐車場から。BMVの駐車場で、ステアリングとアクセルは触らせずに、クリープ現象だけで前進と後退を繰り返させる所からスタート。

記念すべき人生初運転席を撮影してやろうと思い、外から撮影しながら窓を開けてくれ、と言った所、窓ではなくトランクが開いた。

 

已む無し。

 

ちなみにオハイオ州の正式なドライビングスクールでも、最初の1時間は交通量の多い道路を避ける様に規定されているらしい。そして高速に乗せる前には、少なくとも2時間は一般道で運転させる必要がある、との事。当方の感覚としては、

2時間で高速はどう考えても早すぎる

と思うんだが果たして。

 

 

 

運転教えるの普通に難しいよ

娘に運転を教えて初めて気付いた。運転の指導は、実に言語化が難しいと思う。何故ならほぼ全てが本人の感覚に近いから。

もうちょっと右ってどれくらい?ゆっくりって何mph?そこでブレーキってどこで?と言った塩梅で、普段我々が運転している間にほぼ無意識でやっている事を、正確に伝えなければならない。

 

交差点を見る。対向車、歩行者、標識、信号、前の車との距離の確認。

減速する時、アクセルから足を離してブレーキに足を置く。

この辺は全てほぼ無意識に自分の感覚でやっているので、それを16歳に説明しようとすると、長嶋監督の如く、感覚的な説明になってしまう事に気付く。

 

そして最大の課題。怒らない事。これが難しい。

ちょっと危ない時に、「危ないだろ!」と叫んでも、本人が更に焦るだけなので、ここはそれなりの忍耐が要求される。

 

ちなみに、長女が現在主に練習しているのは、マダム(嫁さん)が乗ってるトヨタのシエナ。かなり良い車だと思うんだけど、日本では残念ながら環境規制関連で売れないらしい。

で、サイズ感は以下の通り。

車種 全長 全幅 全高
シエナ 5,170mm〜 1,990mm〜 1,740mm〜
アルファード 4,995mm 1,850mm 1,935mm
ランドクルーザー300 4,950〜4,985mm 1,980〜1,990mm 1,925mm
ハイラックス 5,320mm 1,855〜1,900mm 1,800mm

 

縦も横もランクル・アルファードよりデカい。

 

最初は、

初心者にこんなデカい車乗せて大丈夫なのか?

と思ったけど、良く考えたらオハイオのクソ田舎道は対向車が来ても余裕ですれ違えるし、他の車対比でシエナが特別デカいワケでもない(デカい方ではあるけど)ので、最近は逆に、

最初にデカい車に慣れた方が後で楽なんじゃね?

とも思い始めている。

 

今後、長女用に何か車を買う事になると思うが、シエナを余裕で操れる様になれば、だいたいの車を問題なく操れる様になるのではないか、という考え方だ。

 

同乗50時間という地味な苦行

冒頭に書いた通り、現在長女が保持しているのはパーミットであり、まだライセンスではない。

オハイオにおいて18歳未満がライセンスを取るには、

  • ドライバーエデュケーション24時間
  • ドライビングスクールで実車8時間
  • 大人との練習50時間、そのうち夜間10時間
  • パーミットを最低6か月保有

が必要になるらしい。

 

50時間というのは結構長い。1日1時間練習しても50日だし、週末だけなら余裕で数か月。

 

この話をしたら、何人かの心無い知人から、

そんなの運転した事にしちゃえば良いじゃん

とどうしようもないアドバイスを得たのだが、そこはテクノロジーによって圧倒される。今はこんなアプリ↓があって、全ての運転ログを記録する様になっているのだ。(事後加算も可能っちゃ可能)

 

 

こちら↑を見ると、現段階で3時間25分運転をしていて、夜間には14分運転している事が分かる。先が長いとしか言い様がない。

 

こんな感じ↓で詳細もトラック出来る。

 

 

ここはもう諦めて、50時間の積み上げに耐えるしかない。部活の帰りとか、学校に迎えに行く時とかに運転させて、セコセコと稼ぐしかないんだろう。政府から課された罰ゲーム感が若干ある。

 

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教習所に全部任せるんじゃないの?

日本人的にはやはりここが一番不思議。

日本なら普通、教習所にブチ込んで、金で時間を買う。プロに教えてもらった方がよっぽど良いと思うのだが、オハイオではプロによる実車教習は8時間のみ。言ってみれば、基礎は親が叩き込んで教習所は仕上げるだけ、という感じなんだろう。

普通に凄い制度だと思う。変な癖とかを教えてしまうクソ親も普通にいると思うのだが、そこは気にしないんだろう。

 

そして、日本と違って親の助手席にはブレーキがないのが一番怖い。長女が止まらなければ、当方も一緒にドボンなのだ。今まで、助手席で右足だけ無意識に踏ん張った事が何回かある。

が、3時間ちょっと一緒に走った現段階では、長女の運転は、思ったより悪くなかったりする。

最初こそ、そこそんなに膨らむ?とか、なんでそんな端に寄る?とか色々あったものの、今はだいぶ普通。速度もそんなに出さないし、無茶もしない。こちらが落ち着いて指示を出せば、その通り動いてくれる。

 

なので結局一番の問題は、

親がどこまで黙って見ていられるか

なのかもしれない。

 

50時間も乗れば、娘は間違いなく上手くなると思うが、問題は当方。

50時間後に、

「急げ」

「もっと踏めよ」

「そこ行けるだろ」

みたいな事を言わなくなっていたら、当方も人間として成長したという事になる。

 

子供のDriving Practiceと言いつつ、実は父親のAnger Management Trainingなのではないか。最近そんな気がしている。

 

予定では来年の3月くらいにライセンスが取れると思われる。乞うご期待なのだ!

 

~今日の教訓~

自分のBMWはさすがに運転させたくない。

 

ぶつけられたらマジで泣いちゃう。

 

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